だいち

サイド バイ サイド 隣にいる人のだいちのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

なんとも、形容が難しい作品だが、近い作品で言ったら『シックス・センス』、雰囲気で言ったら今泉力哉監督の作品かな、と感じた。

マイナスイオン系映画である。
昨今、刺激てんこ盛りの作品が多い中で、「リラックスも大事だし、いいよ、CGとかじゃなくてありのままの自然や生命が美しいんだよ」という監督のメッセージを感じる。
また、主演の坂口健太郎をイメージして作られたとのことで、儚くも優しい存在を描いている。

現在、この映画の評価が決して高くないことは、観に行ったら分かる。しかし、それだけ、世の人たちは、映画に対して刺激を求めているということになる。
それは、この映画がその真逆のためだ。

恐らく、観に行った中の人は
坂口健太郎or齋藤飛鳥さんのファン
という人も多く、恋愛的な要素を求めて観たのではないだろうか。
であれば、この映画はとても淡々としており、期待はずれのものとなる。

しかし私は、特に考察などはせず、ただただ、景色や風景の美しさ、言葉では表せない気持ちや感情を、投影していたため、差などは生じなかったのである。

テーマは、恐らく『美しさ とは?』ということになるだろうか。

霊能力、という言葉が出てきて「これはシックスセンスのような大どんでん返しもあり得るな…」と思っていたが、最後まで観ても「どっちだったんだ?」となった。
恐らく、観客にも考える余白、グレーで曖昧な部分を残したように思える。

美しい自然の営みの中で、繊細な感情の揺れ動き、深呼吸、木漏れ日、焚き火の音、など、癒されたい方にはおすすめである。
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