くりふ

終わらない週末のくりふのレビュー・感想・評価

終わらない週末(2023年製作の映画)
1.5
【ゆとりの終末】

Netflix新作。オチないシャマラン。ヌルいジョーダンピール。

一定の人が抱えているだろう、世界が崩壊する日の漠然とした恐怖または期待などに、こう目鼻を付けてみましたよと。仮想敵を定めにくい時、アメリカ映画でよくやるヤツかなと。

極限状況に置かれた人間の、多くが原始人化するのは既にわかっており、とはいえそんな状況でも、豪華?キャストが演じるなら、お行儀良い言動で終わることも見えている。

だからこの類いだと、今度はどんな終末案出てくるの?位しか興味がわかない。大概、謎は最後で明かされるから、1.5倍速で一気見したが、それでも長かった…。

原作小説の出版が2020年だから“ハバナ症候群”はネタ元の一つでしょう。てか、出てくる終末風要素で一番新しいのはソレか?ナゼこの原作が話題になったか、見終えてもナゾでしたが…出版時、アメリカはロックダウンの頃だったから、らしい。

国を内側から滅ぼすなら、今なら流言飛語というウィルスは効きそうだし、ネット不通で個々が分断されたら、ビラ撒きなどの方がより毒だ、というのもナルホドと思う。

オバマ夫妻が製作しているから、こう描きたい今どきのアメリカ、ではあるのでしょう。

でも、ジョーダン・ピールの諸作と同じく“どうやって”をスルーしている。実現できる裏付けがないから映画自体、流言飛語でしかなく、そうなると、どんなハッタリで怖がらせてくれるのか?それを待つしかなくなるけれど…何も起こらなかったよ。

まあ、本物の絶望を描いてしまったら娯楽映画にならないから、どこまで行ってもこういう類は、お化け屋敷止まりにはなるのでしょう。

ジュリア・ロバーツの終末じみた風貌が、いちばん怖かったです。

<2023.12.14記>
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