ブサ猫太郎

沈黙の艦隊のブサ猫太郎のレビュー・感想・評価

沈黙の艦隊(2023年製作の映画)
3.6
日本近海で沈没した潜水艦の艦長、海江田四郎。乗員75名と共に死亡したと思われていたが、日米が極秘に進める〈シーバット計画〉の一員として生存していた。しかし、計画の最中で海江田は日米を裏切り、シーバットに乗って逃走。更には独立国家ヤマトの建国を宣言する。大局を冷静に判断し時には非情な命令を下す海江田の目的とは…

「艦隊だからこその戦い・武力による政治を描いた物語」

率直な感想は、また大沢たかおに騙された!!

原子力潜水艦〈シーバット〉を巡った戦記物。今回1番面白かったのは、「音」を利用した潜水艦同士の戦い。

これまで何となくのイメージで潜水艦はレーダー探知機で敵の居場所を把握し、魚雷で撃退しているのかと想像していた。実際に他の実写映画やアニメではそのように描かれていたと思う。

しかし、本作ではこれまでに見たことの無い新たな戦い方を披露!
音楽の音量を巧みに調整することで位置情報を誤認させたり、海中での音の反響を利用することで魚雷を回避するなど戦略的な部分があった。そのため、ただ撃ち合うだけでは表現することの出来ない駆け引きや攻防が楽しめた。

そうした点でかなり熱中して観れただけに残念だったのは本作が続編ありきの作品だったこと。いきなりタイトルが現れてエンディングが流れたときはあまりにも中途半端な終わりでビックリした。
もちろん、2時間で描けることは限られているので作品を前後編やシリーズにすること自体は個人的にはアリだと思う。
ただ、それを理解した上で観るのと観ないのとでは作品の楽しみ方が変わってくるので事前にわかるようにしてもらいたい…
大沢たかおメインの『キングダム3』も後編に続く作りだったので、またこのパターンに騙されたかという感じ…