ブサ猫太郎

からかい上手の高木さんのブサ猫太郎のレビュー・感想・評価

からかい上手の高木さん(2024年製作の映画)
3.5
母校の中学で体育教師を勤める西方の前に教育実習生として現れた同級生の高木さん。かつて散々からかわれた西方は懐かしさを覚えながら、1ヶ月ともに働くことに。久方ぶりの出会いではあったものの、すぐさま打ち解け合う2人。しかし、刻一刻と高木さんの別れは近づいていく。

体育教師の西方は教育実習生として同級生の高木さんと再会を果たし、彼女に対する自分の気持ちに少しずつ気づき始めるものの、再び別れのときが近づいてしまう。

小学館から出ている『からかい上手の高木さん』の実写映画。しかしながら完全オリジナルで、『からかい上手の高木さん』と『からかい上手の(元)高木さん』の間を描いたifストーリーな作品。

からかい・からかわれるという2人の関係性はあるものの、名前だけ借りた全く別作品と言われてもおかしくないので実写映画としてはかなり賛否が分かれそう。

ただ、個人的にはノスタルジックな青春と中学時代の2人の想いをブラッシュアップさせている点が良かった!

離島や昔ながらの中学校、西方と高木さんの関係性。時代に取り残されたかのようにいつまでも変わらない雰囲気が青春の延長線上を感じさせてくれる。懐かしいという気持ちはもちろん、中学生の甘酸っぱさや大人になってもそれを持ち続けるピュアさに映画館でずっとムズムズした。

さらに、あの頃どうして西方は高木さんとの勝負にこだわっていたのか。どうして高木さんはからかい続けていたのか。2人の気持ちをこの映画なりに示しているからこそ、最後はスッキリとした気分で観終わることができた。

今まで結構『からかい上手の高木さん』は西方目線のコメディ漫画として読んできたけど、この映画からちょっと見方が変わりそう。