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沈黙の艦隊のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

沈黙の艦隊(2023年製作の映画)
4.7
日本近海で、海上自衛隊の潜水艦がアメリカの原子力潜水艦に衝突して沈没する事故が発生。
全乗員76名が死亡したとの報道に衝撃が走るが、実は全員が生存しており、衝突事故は日米が極秘裏に建造した日本初の高性能原子力潜水艦「シーバット」に彼らを乗務させるための偽装工作だった。
しかし艦長の海江田四郎(大沢たかお)はシーバットに核ミサイルを積み、アメリカの指揮下を離れて深海へと消えてしまう。
海江田をテロリストと認定し撃沈を図るアメリカと、アメリカより先に捕獲するべく追う海自のディーゼル艦「たつなみ」。
その艦長である深町洋(玉木宏)は、海江田に対し並々ならぬ感情を抱いていた。
1988~96年に講談社の週刊漫画誌「モーニング」にて連載された、かわぐちかいじの名作コミック「沈黙の艦隊」を、大沢たかおが主演のほかプロデューサーも務めて実写映画化&ドラマ化。

大沢たかお演じる海江田艦長の本心が読めないミステリアスなキャラクターと熱血漢の深町艦長や冷静だが理想家な海原官房長官(江口洋介)や江谷キャスター(上戸彩)や優秀なソナーマン南波(ユースケ・サンタマリア)など、個性豊かなキャラクターのせめぎ合いのスリリングな群像劇。
潜水艦同士のソナーの特性を逆手に取ってこちらの位置を撹乱させるなど、スリリングな駆け引きの潜水艦バトル。
核ミサイルを搭載出来る高性能潜水艦シーバットが、独立国やまととしてアメリカと対峙する中で、アメリカに従いやまとと対決するのか終戦以降アメリカに守ってもらい属国のように従う日米安保体制から脱して政治的軍事的に独立国としての路線を歩むのか決断を迫られる日本。
世界の覇権を保つ為にシーバットをなりふり構わず沈めようとするアメリカ。
大国が、コントロールする平和体制を変えようとするやまと。
それぞれの信念と生き残りを賭けた息詰まる駆け引きが繰り広げる、政治劇。
それぞれの要素が上手く融合した「シン・ゴジラ」以来の骨太なヒューマンアクション映画でドラマ。
「広い海を前にして、なぜ人は争うのか?」
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