このレビューはネタバレを含みます
【7 > 4】
女性賛歌(なのかな?)の短編7つのオムニバス。それぞれ主張もテーマも、テイストも異なるし(制作国、スタッフも)、共通点としては、女性が主人公であることか。
良かった順に・・・
女性実業家か妹の死を機に故郷に帰り姪を引き取るか否か判断を迫られる「帰郷」、日本が舞台で杏が主演の「私の一週間」、コロナ禍のLAで奮闘する女医の話「無限の思いやり」、「ペプシとキム」は薬物依存の女囚の内なる自分との葛藤を描く。ここまでが前半4作。3話、4話、2話、1話の順を付けて見たが、甲乙付けがたい。
5話「声なきサイン」はお話としてはデキ過ぎで、しかも女性の立場云々の話なのかどうなのか? 6話インドが舞台の「シェアライド」は、ほとんど意味が分からなかった。最終話はCGアニメの「ARIA」、言いたいことは分かるけど陳腐。
後半3作がどうにも出来が良くなくて、尻すぼみなのがいただけなかったかな。
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(ネタバレ含む)
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「私の一週間」は、シングルマザーの一週間の奮闘を描く、分かりやすいお話だし、ホロリとさせるストーリーが悪くなかった。杏の熱演も見応えあり(名義が AN WATANABEと「姓」付きになってましたね)。
長女を見送る時、常に掃除機をかけていて声だけで「いってらっしゃい」と言う母親、食卓に飲みものをこぼしてティッシュで拭こうとしたら切れてて、新しいのを出したら全部中途半端に開けられている謎、それらが上手にオチに繋がっていて良かった。
弟を放っておいて長女がちょこっと外出してたシーンだけ「?」が残る(何か回収があったかな?)。
1話、2話、そして5話が、実在の人物や、実話がベースになっている。1話、2話とも最後に本人映像(画像)が提示され、現実でも頑張る女性の姿を見せる。続くお話も全部そのテイストかと思ったけど、違ったのがちょっと肩透かしだったかな。
長野相生座という渋い単館系の映画館で、レイトショーの時間に鑑賞。うちだけが観客だったらどうしようかと思ったけど、あと2名お客さんが居て「ほっ・・・」だけど、せめてお話の数くらいは入ってて欲しいよね🤣