えにし

コット、はじまりの夏のえにしのレビュー・感想・評価

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)
4.3
笑われて、詰られて、しおれて、足下を見てばかりだった薄暗い毎日に、ふいに光が差したのは、わたしだけではなかった
家に秘密があるのは恥ずかしいこと、と表向きは誰かをたしなめるようなせりふは、ひび割れた心の堰をこわさないようにするための、悲しい暗示だった

砂埃に塗れて圧し殺していた気持ちを、わき水で洗い流す
長い雨に慣れて忘れていた涙を、長い足で駆けて取り戻す
その先にしかない、ありふれた奇跡を強く抱きしめよう
えにし

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