空振りと問わずがたりの繰り返し、お茶濁そうにも上滑り、ほとほと呆れて気後れで逃げ出したのに、後をつけてくるのはどうして
息がつまるくらい苦しくて、吐きそうなくらい悲しいのに、泣きそうなくらい嬉しい、そ>>続きを読む
理想や夢の世界の中でだってままならないことばかりだから、カチンコじゃ止められない物語の来し方行く末にすてばちになることも馬鹿みたいだって分かったでしょう
頭の中のゴチャゴチャが形にならなくたって、目で>>続きを読む
やせた土の上に落ちた杏の実も、宙に浮いたままのシャトルも、時の川を上ってはいかないけど、花はまた同じ季節に咲いていた
押さえつけても隙間からあふれ出してくるほどの うれしい や かなしい が、ひとりで>>続きを読む
鳥のさえずりや虫の声、かすかに差し込む陽の光さえも、混ざり合って溶けていく
洋梨のくびれに触れるたび、二度とかなわない夢を見てしまう
当たり前が当たり前じゃない世界の片隅で、雨に打たれても走り出さなくなっちゃった体は泣いている
私の わからない が わかりたい に変わる瞬間を、君の孤独が君だけのモノである意味を、ぜんぶ飲み干すまで生>>続きを読む
盗んだ瓜が暗い部屋の蝋の火になって、つかの間、傷を忘れさせてくれるのに、ふすまの奥までは照らせない
やけのはらの心がゆきかう街で、気休めのかけらを舐め合いながら、どこまで騙せるのかな?
乾いた筒の音が>>続きを読む
初めてが初めてじゃなくなったり、裸足じゃ痛いから靴を履くようになったりする度、世界は色づいていくようで、その実混ざり合って濁っていった
散々楽しいモノを食べて、飽きるほどむごいモノを見てきたのに、僕た>>続きを読む
歴史からこぼれ落ちたとるにたらないものたちのアンセムは、とりどりの孤独を混ぜ合わせてできたドーナツの甘い香りに弾ける
凹んだぶんだけはみ出て、夢を見過ぎたぶんだけ唇をかむ
これが泥の舟でも、水の流れに>>続きを読む
飽くなき世界を尻目に、誰に見せるわけでもない自足の毎日を繰り返すなかで、時々吹くそよ風が、まだ涙があることを教えてくれる
だから色違いの孤独に気づいて微笑むことができるし、ネガの夢から目覚めた朝も僕は>>続きを読む
そのときが来るのをただひたすら待っていたのは、諦めではなくプライドだったことを、独りの木の下で知る
もしも、やまさか、に意味がないことまでをも飲み込んでくれる栗の森の記憶が、紅い葉に包まれて、村ごと葬>>続きを読む
乾いた筒の音がこだまする中、盗んだタイヤは転がって、ゆりかごを運ぶ歯車は回りだす
ゆらゆら揺れる鏡にうつった私はループを抜け出せなくて、でも本当は、行ったり来たりの中のナンセンスな幸せを転がり続けてい>>続きを読む
セピア色の知らない世界は、スカスカの足下みたいに覚束なくて、でも穴を覗くみたいにワクワクする
列車に運ばれているようで、実は列車が運んできたはじめての景色に身を浸しながら、色づいていく
パラダイスに憧れていたけど、現実は死ぬほど退屈なルーティンでヒマをつぶすだけだった
傷ついたり不完全だったりがあっても、いや、それがあるから、いたちごっこみたいに理由を探す毎日に訳分からん恋を落として>>続きを読む
スクリーンの中のアーネストとそれを見ている私が共鳴したのは、多くを語らぬ序盤から中盤にかけて何が起きているかがてんで分からなかった私と、知らず知らずのうちに陰謀の波に飲み込まれていく彼とが重なったから>>続きを読む
全クリしちゃったゲームみたいなゆるい悲しみの中で、だったら指を咥えて誰かを、何かを妬み続けていた方がマシだった?と問い続ける
グラグラの幸せを、不恰好でも心地よいダンスを勝ち獲ったはずなのに、壊れたテ>>続きを読む
帽子を目深にかぶればかぶるほどかえってボロが出るような街で、今日も鏡に嘘をついている
何もかも見透かされているような街の光から水色の夜に逃げ込んで、傷つけたくないが傷つきたくないだけなことに明け方の影>>続きを読む
たとえすぐそばに、隣にいようとも、あなたはエイリアンで、何も分からない、分かれない
だけどフェータルな傷を隠してできた同じ孤独をかち合わせたら、少しだけ分かち合える
先のつぶれたペンで行き場のない言葉を書き殴っているような毎日が、嬉しいと悲しいの境目を消していく
It's not your fault.もI will not let you down again.>>続きを読む
食べきれなかった今日を明日に回して、それすら食べきれない明日がまた来るから、無理やり消化して代わりに涙を忘れていく
望めば望むほど夢が遠ざかっていく世界の中、誰も知らない場所で踊る
わざと見逃したSO>>続きを読む
鏡に嘘をつくたびに、本当は知っていたはずの青春の意味を忘れてしまうから、矛盾でできた部屋から抜け出した
孤独が教えてくれた優しいメロディでこころが裸になったら、うたかたの夢から覚めても、その痛みで生き>>続きを読む
ピンクのシャツと真っ白なセットアップのままでロビンソン・クルーソーを騙ったって、緑に千切れて、青に揉まれて、かたなしになるだけだって、体で覚えなきゃ分からない
モノが溢れ、できることが増え過ぎた世界で>>続きを読む
無料でもらった石でできた塔を壊して、絵空事の中で嘘じゃない意志を積み重ねていく
自分の神様を自分で見つけるために、背中のファスナーを開ける
隠れているからその先を見たいと希うのに、すべてが見えてしまったら終わりが来てしまう気がして、色のついた粽と、香りを纏ったドレスで、あなたに溺れる
あなたが長い旅に発ったあと、あの手の感触だけが残ってい>>続きを読む
解らなかった、から解れなかった、に変わっていったのは、巻き戻せない思い出があることを知ったから
肩で息してるのに笑みを浮かべていたことも、ギプスを外そうと躍起になっていたことも、夜の海に呼ばれていたこ>>続きを読む
信頼を確かめるための言葉で信用を失ったり、勝手に傷つけたくせにそのことで勝手に傷ついたりして、誰のことももう愛せないって思ってたんだろう
フワフワも洗ったら固く重くなっていくように、誰かがヒビを入れて>>続きを読む
断りなく大合唱する本当の心をよそに、体はカーテンの境目を溶かせない
虚構の地下から現実の地上へ抜け出しても、ショウウインドウは偽者を映し出している
ビルの隙間も、地下鉄も、ニューヨークの街それ自体も、袋小路のままで過ぎていく
懐かしい服が小包の中から出てきても、フーテンを貫ける覚悟のある体がある
靴ずみの黒と洗剤の白に塗れることの繰り返しにうんざりしちゃって、花束だって気休めにもならなかった
いつ付いたのか記憶にない傷が最近は増えてきて、なんでもないようなことでまた痛み出す
外国の言葉を訳すように気持ちを訳せはしないけど、傷の痛みを忘れることができるのも、細くて太い繋がりだけだった
キューでつつかれた玉どうしがぶつかるみたいに抱き合える夜気のなかで、きっと鳥のさえずりを恐れていた
たまたまそこに居合わせただけの、物語になり切らないロマンスの切れはしにだったら、溶けちゃいそうなほど>>続きを読む
急な流れの歴史をよそに、息を止めているかのように穏やかな時間の流れだけがある
路面電車が横切る間、飛行機が動き出す前、家の中レコードに針を落とすのと同じ空気がただよう
みんな待っているけれど、映画は意>>続きを読む
色々な人がいて、みんな好き好きに色々なことを言うよ
だけど気後れや早合点が雑にコラージュされた妄想を急かすから、誰もありふれた幸せにありつけない
過不足のないやさしさは難しいけど、線路が拓けた先に永遠>>続きを読む
阿漕な信号が点いては消え、消えては点いてを繰り返している
人生の意味が分かったその日から、灯りを求めてさまよう人たちのスペクトラムを、ただじっと見続けている
ずっとじっとしていられない彼方をよそに、見>>続きを読む
まぶたがあついよ、ありがとさん
めずらしい血を採取するためだけの車や、本当は手の届かなかったコートが、ふたりのリズムを揺らしている
いつかすべて土に還る、と言い聞かせていたのに、ずぶ濡れになりながら守ったレンガで造った家が、荷車を引>>続きを読む