えにしさんの映画レビュー・感想・評価

えにし

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アメリカの友人 4K レストア版(1977年製作の映画)

3.0

DER AMERIKANISCHE FREUNDが「アメリカ人の友達」ではなく「アメリカの友人」と訳されている。ヨナタン(ブルーノ・ガンツ)を西ドイツ、リプリー(デニス・ホッパー)をアメリカのメタファ>>続きを読む

モアナ~南海の歓喜~(1980年製作の映画)

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冒頭、その辺に生えてる葉っぱがデカすぎてそれだけで「何もかも違う」を感じてしまう。女はトップレス、男は通過儀礼にタトゥー、婚礼の儀式で両者は"調べ"に合わせダンスを交わす。モノクロなのに海が透き通って>>続きを読む

極北の怪異/極北のナヌーク(1922年製作の映画)

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はじめてのふらはてぃ。ヘタなフィクションよりよっぽど映画してる。"生活"を映しているだけなのに神秘的。化学が発達した社会に住んでいる身としてはナヌークらの生活が"サバイバル"に見えてしまうけど、その視>>続きを読む

ガートルード/ゲアトルーズ(1964年製作の映画)

2.6

ごめん結構寝た。会話なのにまったく視線合わせずモノローグみたいに喋るのとか、鏡に映った姿と会話させるのとか、男女のディスコミュニケーション表現って感じで良いねって思ったけど、肝心な会話の内容が愛してる>>続きを読む

奇跡(1954年製作の映画)

4.0

死んだ人が生き返るのは確かに「奇跡」だと思うけど、いざ復活の瞬間、となってもほかのキャラクターやその場の空気は「ありえない」ものを見たときのような目をしていない。もちろん皆驚いてはいるのだが、あたかも>>続きを読む

さすらい 4K レストア版(1976年製作の映画)

3.2

パッと思い出せるのがクッソリアルな野グソと無修正OTIN-TINのシーンなので、俺の脳レベルは小学生のときのまま成長が止まっている可能性があると俺界隈で話題である。いわゆるロードムービー三部作を観てき>>続きを読む

ワン・セカンド 永遠の24フレーム(2020年製作の映画)

4.4

好(ハオ)。ちょうすき。もうね、途方もない砂漠を主人公がひとり歩く冒頭から画面にのまれるんすよ。あの砂漠のシーンとか鄙びた街とか、極めつけは長机の上に椅子が逆さに置かれたショット!うわ、この監督ぜった>>続きを読む

怒りの日(1943年製作の映画)

3.7

魔女裁判の話。科学が発達した社会に生きるわたしたちからみれば、宗教がものごとの真偽を判断する絶対的な基準となっている点にギャップを感じずにはいられないだろうと思う。「この女は魔術で夫を殺したのだ!」と>>続きを読む

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

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めまぐるしいカットバックとか、人物を見上げるようなアングルとか、母の乳房に吸い付く赤子とジャンヌの対比だとか、技術的なことを言い出せばきりがないけど、やはりルイーズ・ルネ・ファルコネッティ演じるジャン>>続きを読む

絵を描く子どもたち(1956年製作の映画)

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この色を多用しているのはこれこれの心理が反映されているからですとか、以前よりも大胆に描くようになったのは絵を描くことによろこびを感じたからです——みたいなナレーションがどのソースをどれくらい参考にして>>続きを読む

ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

4.6

ぜんぜん大丈夫じゃないのに平気なふりをしていたこと、心は泣いているのに体は器用に立ち回っていたこと、本当は助けてほしいのに強がってぜんぶ一人でやろうとしたこと。そんな記憶でいっぱいの人生を歩んできてし>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.3

Win-Winの関係だからという理由で当初は仕方なく疑似家族を演じていた一行が、同じ時間を共有していくうちに「本物」みたいな家族になっていく——という筋書きは是枝さんの得意技。自分の色を、キャストやス>>続きを読む

金の糸(2019年製作の映画)

2.3

過去の思い出といま自分がいる座標とを繋ぎ合わせた先に未来が見えてくるんやで〜、みたいな割とふつうのこと言ってたと思う。その"繋ぎ合わせる"モチーフとしての「金継ぎ Kintsugi」なんだろうけど、ワ>>続きを読む

まわり道 4K レストア版(1975年製作の映画)

3.4

曲がっているために店頭に並ぶことなく撥ねられてしまったきゅうりのような、そんな孤独を抱えた者たちが、同じ匂いに引き寄せられ、同じ時間を共有し、しかし最後にはそれぞれ違う道を選ぶ。そんな話。硬い殻に自分>>続きを読む

ユダヤ人の私(2020年製作の映画)

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ヨーロッパにはびこる反ユダヤ主義とナチスの非人道的所業についての証言。早死にや行方不明のきょうだいに馳せる想い、カルネアデスの板的葛藤、施設を出た後に浴びせられる心ない言葉、人道を通すために吐いた嘘。>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

3.9

交通誘導のバイトをする倍賞千恵子が身につけるベストは、赤い光を等間隔に点滅させる。まるで心臓の拍動のイメージをそこに託しているかのように。余白の多い物語だとは思うけれど、上記したようなメタファーや奥行>>続きを読む

エリックを探して(2009年製作の映画)

1.0

まさに自己啓発本をそのまま映画にしたような感じ。しかもできのわるいやつ。こんな映画があるから私刑を是とする輩がいつまでも社会にのさばっているんだろう。「最も高貴な復讐は赦すことだ」という台詞が放たれた>>続きを読む

見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界(2019年製作の映画)

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その道の先駆者として高名らしいカンディンスキーもモンドリアンもろくに知らない俺なので、このヒルマ・アフ・クリントももちろん初めまして〜の人だったのだけど、どうやら俺だけではなく、大多数の人にとっても初>>続きを読む

ゴールデン・リバー(2018年製作の映画)

3.5

『パリ13区』の余韻で観た。オーディアール監督は他には『預言者』しか観てないけど、ジャンルの振り幅どうなってんの、となるくらいまた別のことやってる。器用〜。逃げる話だし追う話でもあるのでとても好きだし>>続きを読む

パリ13区(2021年製作の映画)

3.9

ルーシー・チャン、NMIXXのリリーに似てるな…とか序盤はしょうもないこと考えながら観ていたんだけど、結果的にはかなり好きな映画だった。音楽以外は。主人公は明確に設定されていないし、あえて言うなら「パ>>続きを読む

都会のアリス 2K レストア版(1974年製作の映画)

3.5

はじめてのゔぇんだ〜す。「撮影することは耐えがたいものを撃つこと」とひとりごちる彼が写真を撮るのは、"耐えがたいもの"を通して自分の存在を確かめたいから。ひょんなことから旅路を共にするようになった少女>>続きを読む

永遠の門 ゴッホの見た未来(2018年製作の映画)

3.6

人生とは誰の目にも触れることのない自画像を描き続けるようなものだと思っているのだが、彼はそれを地で行く人だったのだろう。誰にも理解されず孤独の闇に包まれたからこそ、彼は光を求めた。光と影の相克に、彼の>>続きを読む

パピチャ 未来へのランウェイ(2019年製作の映画)

2.5

抑圧に対する抵抗、自由への渇望。それ自体はとても好きな主題のはずなのだけど、主人公がまるでスマートじゃないので好きになれない…。思い思いの服装を身にまとう女性が狙われることを知っていながら、友人を巻き>>続きを読む

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

3.0

社会の波に乗れなかった青年が自己嫌悪の波に呑まれてしまうまで。比喩とかではなく、観ているあいだずっと頭が痛かった。トランクからライフルを取り出して家の中に入りコトを済ませ車内に戻ってくるその一連の流れ>>続きを読む

牛久(2021年製作の映画)

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牛久市に入管があることも、そこに男性しか収容されていないこともこの映画で初めて知った(そもそも牛久という地名も初めて知った)のだけど、知っている人は果たしてどれくらいいるのだろうか。基本的にこの国には>>続きを読む

ピアノ ウクライナの尊厳を守る闘い(2015年製作の映画)

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水色と黄色のツートンカラーに着色されたピアノが鳴らす抵抗の調べ。それをかき消すように大音量で流れるロシアンポップス。「ピアノはバリケードの肥やしにされるためではなく、弾かれるためにあるの」と彼女が言っ>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

2.5

物理的に痛いのが苦手なので好きじゃないけど、過去2年のパルムドールの傾向を見るに、これも親子愛とか家族の枠組みの再考としての面が評価されたのかも。それにしても車とセックスする時点でだいぶ人を選ぶと思う>>続きを読む

アンラッキー・セックス またはイカれたポルノ(2021年製作の映画)

3.4

Twitter またはYouTubeのコメント欄、って感じだった。ネットに流出した教師のハメ撮り映像を巡って彼女の懲戒の賛否を問う保護者説明会は、我々がネットで毎日見かけるマンスプやトンポリや人身攻撃>>続きを読む

ファミリー・ネスト(1977年製作の映画)

1.9

基本的に義父と嫁がバトってるだけの家族をえんえんと映してるだけなので面白くはない。「歳とってやっちゃいけないことは「説教」と「昔話」と「自慢話」」って高田純次が言ってたけど、この義父はその三大やっちゃ>>続きを読む

ダムネーション 天罰(1988年製作の映画)

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地面を叩きつける激しい雨がつくる靄、蒸したタバコの煙、バーカウンターからたちのぼる湯気。不定形なものに視界を遮られたり、その不定形なものが消えて見えてくる世界がある。「煙は人の魂を支配する」みたいなせ>>続きを読む

ミッドナイト・ラン(1988年製作の映画)

4.0

逃げる話の時点で好きだし、即席凸凹バディムービー部門および嘘も方便ムービー部門およびバーコードハゲムービー部門において最高峰の一品であることは間違いない。とりあえず5分に1回大草原ポイントがあるのでそ>>続きを読む

隣の影(2017年製作の映画)

3.9

腹を空かせた肉食動物が涎をたらしながら低い唸り声を響かせているような空気が映画ぜんたいを支配していた。これも想像力を欠いた人たちが起こしてしまう悲劇を描いた映画だった。そして悲劇がエスカレートして最終>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

2.8

「新」・ウルトラマンのち「神」・ウルトラマン、そして「心」・ウルトラマンを経て最終的に「人」・ウルトラマンに着地、って感じだった。ふつうに面白かった。じゃあなんでこんな点数なんだよって感じなんだが、そ>>続きを読む

GAGARINE/ガガーリン(2020年製作の映画)

3.5

宇宙、郷愁、多様性、恋愛、永遠…。やりたいこと全部やったるで!感が溢れててとても良い。それ故にお前その機材どっから調達してきたんだよとか、これを全部1人で…?とか思っちゃうほどご都合展開も多いけど、な>>続きを読む

キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性(2012年製作の映画)

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心の中のへ〜ボタン2億回は押した。そんな感じで知らないことばかりだったのだが、わたしたち一般層がキャスティング・ディレクターの仕事を知らないのは、そもそも映画業界が全体として彼女らの仕事に光を当てる意>>続きを読む

林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

3.8

「リスとタニシ」と肩を並べられる(?)ほど両者に相関を感じられないワードの組み合わせなタイトルやな…と思いながら観ていたらまさかの当該曲が使われてて、劇場で爆笑してしまいそうになったがなんとか踏みとど>>続きを読む

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