みゅうみゅう

コット、はじまりの夏のみゅうみゅうのネタバレレビュー・内容・結末

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

どのシーンもカットも美しく叙情的。鳥のさえずりや木漏れ日、車窓、見上げた空、水汲み、牛舎、自宅の赤い壁紙のキルトパターンとか、TVの中で流れるキルトの番組かな?ちょっとした画もめちゃ好み。

子どもって、その成長ってセンシティブ。
家族とは何か(形としての家族ではなく家族のような関わりも含めて)考えさせられる。
コミニティの支え合いもそうだ。自分の目の前の狭い世界だけが全てではない、繋がりの広さや関係の深さを学んでいくのだろう。
コットが夫婦の秘密(大きな喪失の事実)を知る。近所の通夜に出席し死を感じた後に…

コットとショーンが訪れた夜の海岸での会話にハッとさせられた。原題にもある“Quiet ” 〜沈黙は悪くない。たくさんの人が沈黙の機会を逃し、多くのことを失ってきた〜とショーンが語る。これ観客にも救われる人多いと思うし、こういう言葉を示してあげられる大人でいたい。

そこからのコットと夫婦の明るさ、温かな愛情、そして楽しい夏休みはあっという間。コットのはじまりの夏ーでもあるし、ショーンとアイリン夫婦にとっても喪失から再生へのはじまりの夏になったに違いない。

ラストシーンもいい。こんな伏線回収待ってたんだ。汚い脚、長い脚、走る練習、あぁすべては追いかけてDaddyの胸に飛び込むためだったんだ。泣

コット、夫婦、それぞれの元の生活に戻ったとしても、ステージを上がった景色は以前とは違うのだと思う。誰かを思う気持ちは強く生きる糧になるんだろう。
美しい心の琴線に触れるような作品だった。
めちゃ好き。
みゅうみゅう

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