るるる

パスト ライブス/再会のるるるのネタバレレビュー・内容・結末

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

バーの3人のシーンに「そんな事は無いだろう」と思っていたら、なんと監督の実体験をもとにしているというから驚き。
嘘みたいな出来事も何かの掛け合わせで起こり得てしまうのが人生なのかもしれない。

ラブストーリーと呼ぶには軽すぎるくらい、人生について考えさせられる作品だった。
選択に後悔は無かったとしても、何となくふと思い出してしまう過去の出来事もひっくるめて、今の人生を肯定してくれるような作品だと思う。選んだものも、選べなかったものも全部が重なって今がある。
ノラの中で「韓国」の象徴のヘソンと決別した後の涙は、人生の中で特別なイニョン(縁)を持った相手の決別は勿論、故郷である韓国とも一つの区切りをつけた涙だったのではと思う。手放すものがあれば得るものもあるはずという序盤のノラ母の話に繋がる。
選べなかったものがあったとしても、今得ている何かに繋がっているはず。そう思わせてくれるラストだった。

また、小説の行間のような無言の場面でノラの体感時間を表現したり、アーサーやヘソンの存在でノラの人生の動きを表現したりと、
時間を軸にしたノラの感情の描き方が兎に角繊細なのも素敵だった。
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