2024_38 ❶❷
たった一度の人生、
ただ一度の初恋。
好きな映画でした。
派手さはなくセリフも多くなく、感情の爆発も物語の起伏もあまりない。しかし琴線にはしっかり触れてくる。こんな映画を静かな映画館で観ることが至福です。初恋経験者にオススメします!
以下、ネタバレ含む物語に触れます。
あの時、ああしていれば違った人生だったかもというifの話は誰だって一度は想像すると思います。映画だとタイムスリップしてやり直したり、なんてよく見る話です。
本作は12年周期で別れと再会を繰り返す二人のお話。にしては歳を取らないのでちょっと脳がバグります。
12年前の初恋を引きずる男、名前すら忘れかけていた女。SNSを通じてネット上で再会し蜜月の日々を過ごす。会いたいけれどソウルとNYの距離が二人を再び別つ。
そして12年後、女は結婚し男は恋人と別れ初恋の相手に会いにNYへ行く。
人生の分岐点。運命、縁、ありもしない前世の記憶や来世への約束。しかし大切なのはやはり『今』なのだ。
期待した。もしかしたら二人は結ばれるのかも、と。本当に「好きだ」とか「行かないで」とか「一緒に行こう」というひと言で大きく変わったのに。泣けた。
そう、本作はPast Lives、前世のお話。次の人生で二人は結ばれて幸せにやっている。それくらい強い結びつきなのだ。だからこれは悲劇ではない、ただの前世。
映像、音楽、演技。総合的にも素晴らしかった。12年後にまた観ます。