あかっか

フリークス(怪物團/神の子ら)のあかっかのレビュー・感想・評価

4.0
2024_39

1932年の作品に見る未来


当時の異形、奇形とその扱いが冒頭に説明される。この時代で既にこうした作品が作られていたことに驚くが、しかしこの時代から何も変わらない、いやむしろ悪化?とすら感じる。

現代、ようやく障がい者役を障がい者が演じるようになった。そして素晴らしい作品が生まれている。しかし一時期は隠す傾向にあった。本作のように素晴らしい礎があったにも関わらず、だ。現代のコンプレ重視の社会では再現不可能というような感想が多いのもその名残りだろうか。既にその考えが旧時代的と私は感じた。

世代的には見世物小屋は既になくミゼットプロレスはギリギリ見たことがある。確か女子プロレスの前座扱いでスーパーの駐車場に特設リングで行われていた記憶がある。リング上の彼らは活き活きとコミカルなプロレスを演じ、観客を沸かしていた。しかし差別を助長するなどの理由(それだけではなく興行として成り立たなくなってきていたこともあるが)で活躍の場を奪われた。

障がい者だって俳優を目指してもいいじゃないか。本作がそういったことを目指して作られていたかはわからないが、出演者たちの活き活きとした演技、真剣な眼差しに勇気をもらった。

これが映画だ。

オススメします!
あかっか

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