このレビューはネタバレを含みます
「パスト ライブス/再会」
「縁」と「距離」の映画。
韓国で出会った少年少女が、12年後、Face bookをきっかけに連絡をとる様になる。少しずつお互いの距離を取り戻していくが、お互いの人生をしっかり歩むために一度距離を置く。その間、女は結婚したが、男は未だ独り身。さらに12年後、彼らはニューヨークで再会を果たす。
舞台はニューヨークであるが、内容は「縁」や「輪廻転生」の様なアジア的な考え方。2度と合わない可能性もあった2人がどんな縁故か再開するが、もう昔の様な距離感で接することは出来ない。アメリカナイズドされた女と韓国で何十年も生きてきた男の距離のギャップもここにあるのかもしれない。また、夫と男の距離感もまた絶妙。洋画のキャラってしつこいと思うほどにフレンドリーなことが多いから、あの近からず遠からずの距離感がすごく上質に感じた。
個人的にはニューヨークで再会した2人がメリーゴーランドの周辺を散歩するシーンと、夫が韓国語を学ぼうと思った話が好きだった。「僕の知らない世界がある様な気がして…」っていう言い回しロマンチックすぎないか？笑
大きな展開があるわけではなく、淡々と2人の距離が近づいたり離れたりする様を眺める様な映画なので映画を観ている最中ずっと面白いと思う様な映画ではないが、観終わった後の余韻はすごい。しっかりと心に爪痕を残してくれる映画が好き。
