12歳の頃の初恋に24年越しで決着をつけるというお話し。自己チューの女性主人公に煮えきらない初恋の男性ととにかく優しい現在の夫が振り回される様にはどの登場人物にも感情移入出来ず、イライラが募るばかり。ただ、ラストシーンには不覚にも込み上げるものがありました。初恋という個人にとって不可侵な心理領域を巧妙につついてくるある意味であざとい作品。見事にヤラれました。映像の美しさもやられた一因。鏡、ガラス、水面の反射を活かした映像の多用。猥雑な街並みや雨のシーンも何処か温かみと明るさを感じさせる色調。独特な映像美はとても新鮮でした。監督・脚本を手掛けたセリーヌ・ソン監督はこの初の長編映画でアカデミー賞作品賞・脚本賞にノミネート。只者ではありません。本作品、男性はイライラすること間違いありませんが、女性はどう感じるのか是非伺いたいという意味で女性にお薦めです。
