【しぶとさ】
倒壊した家、瓦礫と化した煉瓦や鉄筋コンクリートの建物、抉(えぐ)られた地面から飛び出した土が石畳の道路を覆う。
わずかに原型をとどめた建物や教会で何とかやりくりして生活する人々の上空では、砲弾の爆発音や、行き交う音が止まらない。
印象的なのは、淡々とやりくりして暮らす人は当然だが、彼らが砲弾には当たらないとどこかで楽観的なんじゃないのかと思わせられるところだ。
「政治がまともになれば、生活は苦しくなる。これで良いのか?」
いや、おっしゃってる意味は分かるが、そういうあなたの命は危険なんですよ、と言いたくなる。
ロシアの攻撃に憤りを感じるが、同時に、人々の逞しさや、しぶとさを感じる作品だった。