地底獣国

マリウポリ 7日間の記録の地底獣国のレビュー・感想・評価

マリウポリ 7日間の記録(2022年製作の映画)
3.4
クヴェダラヴィチウス監督は、侵攻間もない3月に現地入りし、破壊を免れた教会に避難している市民らと生活を共にしながら撮影していたが、3月30日、同地の親ロシア分離派勢力に拘束され、殺害された。撮影済み素材は確保され、監督の遺志を継ぎ、製作チームが作品を完成させた(公式サイトから抜粋)

「戦火に脅かされながらの日常生活」という狙いは分かるし、非常に印象深い(つまり厭な)場面もあるのだが、やはり長編映画としてどうにも「絵が足りていない」

殆ど変化のない画面が長々と続くカットが特に後半多くなりどうしても視ていて集中力が低下してしまう。また、非常にドキリとする言葉が放たれる場面が三箇所あるんだが、そこで話している人物や聞いている人たちの顔を「抜き」で撮った方が良いはずなのに一切表情が分からないまま進んでいくので劇映画でもないのに「下手くそかっ」て言いたくなる。

勿論フェイクだのヤラセだのをやっていいわけはないし、カメラを向けられる側の心情を慮る必要もあろうが、こうして遠く離れた地で映像を見ている平和ボケした頭にも訴求するような映画に仕上げられないのでは、監督の死に報いたことにならんのと違うか?

いろいろ好き勝手書いて申し訳無いが、こと「音」の怖さに関しては「20日間」よりも大分上を行ってたことは大いに評価すべき点かと思う。
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