弾けてない方のポップコーン

ソウルメイトの弾けてない方のポップコーンのネタバレレビュー・内容・結末

ソウルメイト(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ソウルメイトの意味。

絵のスタイルが正反対の主人公二人、ストーリーの途中、ハウンが書きかけの状態で残したミソの肖像画。
ミソがその続きをまるでハウンが描いたように書き足していくシーンがよく理解できなかったのですが、ちょうどその辺りを境に、二人の人生が入れ替わっていくことに気づきました。

幼少の頃から家庭に事情があり、幸せな家庭や家も持てず、気になる男性は親友の恋人になり、安定した職につけず、理想の生き方も貧しく忙しい日常で手に入れられず、実母の死や恋人の自殺など、喪失の人生を歩むミソ。

対象に、質素ながら田舎に両親と住み、意中の男性と長く付き合い、安定した職につき、絵の才能をもつハウン。

あの絵と、あの家でかつてミソが目指した生き方をハウンが歩み、ハウンが歩んでたであろう子供との生活をミソが歩み、鏡に映る二人の人生が入れ替わるように、お互いの人生を二人が補完しあったということなのではないだろうか。

どちらの人生も決して一人一度きりでは成し遂げることが難しいだろうけど、ソウルメイトの字の如く、この二人だったから分かち合うように生きることができたんだろう。

それを見事に描くストーリー、脚本、演出、気づいて鳥肌が立ちました。

書くとその人の事をどう思ってるか分かるというセリフもここに繋がっていくわけなんですね。

二人の人生を追体験したような感覚や、若き日の感情を再び思い起こさせてくれる、驚愕の作品です。