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Boris Without Béatrice(英題)
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『Boris Without Béatrice(英題)』に投稿された感想・評価

4.3
無自覚に他人を抑圧してしまう癖のある男は鬱病の妻を抱えている。ある日見知らぬ男に呼び出され「妻の病気が治らないのはお前が原因だ」と責められる。それを機に男は自分自身を見つめ直そうとするのだが...というお話

全然上手く進行しなくて面白い。大抵物語のキッカケとなる出来事が起これば、その後はストーリーラインに乗って進みそうなものなのに、本作は主人公の厄介な性格のせいで全く事が進まないのだ。(そして案の定「何やってんだ」と叱られる)
ドゥニ・コテ監督らしいシュールな演出がやはり要所要所で冴えていて面白い。なんと言っても男が真っ暗な野原に呼び出されると、突然照明がつけられてまるで舞台劇のような舞台上で忠告を受けるあの場面。この後にもこの舞台は登場するのだが、かなり印象的な演出で面白い。

シュール味を感じさせながらも現実的でブラックな物語も良かった。ただ無自覚モラハラ男が90分間悶々とするだけと物語ながらも、シュールな演出と現実と妄想を入り混じらせた構成が合っていて飽きずに普通に楽しめた。
ドゥニ・コテ監督、決して滅茶苦茶面白い訳では無いけど妙に印象に残る少し変わった映画が多くて好きだな...
Omizu
3.7
【第66回ベルリン映画祭 コンペティション部門出品】
『ヴィクとフロ、熊に会う』などのカナダの異才ドゥニ・コテ監督作品。一般公開されなかった『ゴーストタウン・アンソロジー』は映画祭でみてすごく好きだった。

何かの店の中にいる背の高い男性、穏便に買い物を済ませるかと思えば、店員のある言葉に豹変、責任者をよべと脅し始める。

この冒頭のシークエンスだけでボリスがどういう人物かがよく分かる。いくつもの会社を経営する事業家で、傲慢で好色なのだ。

そんなボリスの妻ベアトリスは以前政府の大臣的な要職についていたらしいが現在は口も発せないほど重度のうつ状態にある。

ボリスは家にいるが、ベアトリスの介護人クララや愛人ヘルガとの情事は止まることがない。

そこへ不思議な呼び出しを記した手紙が。行ってみると小柄な男が言う。「妻がよくならないのは君が誠実でないからだ」と。

謎の男は去って行くが、そこからボリスは自らの家族、女性関係について考えるようになる。

謎の男を演じるのが『ホーリー・モーターズ』などのカラックス作品常連のドニ・ラヴァン!最後にも意表をつく形で出てくるが、小柄なのに強面な不思議な存在感でボリスをひたすらに困惑させる。ドニ・ラヴァン最高!

なぜだか家に入り込んだ謎の男=Mr.ルイはギリシャ神話のタンタロスの神話を延々と話し続ける。これがこの物語のテーマであろう。

タンタロスについては各自調べてほしいが、つまりタンタロスは「欲しい物が目の前にあるのに手が届かないじれったい苦しみ」を表す。そしてタンタロスは神話では人間でありながら神に近い待遇であったのにその傲慢ゆえに人を殺し、その罰として永遠に終わらない苦しみを味わっている。

つまり、社会的に高い地位にありながら肉欲におぼれ家族を顧みることもなかった結果、妻ベアトリスの病となって現われたのだ。そして中盤以降ボリスはなんとか取り巻く人物と向き合おうとするのだが、己のプライドの高さゆえに上手くいかない。

妻ベアトリスの愛というほしいものがすぐそこにあるのに届かないという苦しみを味わっているのである。ラヴァン演じる謎の男はいわば神のような存在なのだろうか。

物語自体が込み入っている上に、コテ特有の虚実入り交じる不思議な演出もあり、観ている間はよく分からない。しかし最後に分かってくると楽しめる。突然娘のルームメイトとして出てくる白塗りの役者がコテらしい。彼らは誰かが観ているわけでもない部屋の中でギリシャ悲劇を演じているという可笑しさ。

階級上位にあたる人の傲慢な人間精算を皮肉的に描いており、コテ特有の少し現実から浮遊したような演出も楽しめる。最後は説明しすぎかなとは感じたが、コテらしくて僕はなかなか楽しめた。『ヴィクとフロ』や『ゴーストタウン・アンソロジー』よりは劣るが。