囚人13号

ビヨンド・ユートピア 脱北の囚人13号のレビュー・感想・評価

4.0
苛烈な主題へ同情的に点を入れる性分は持ち合わせていないし構造も傑出してるとは思えないが、外界にはひたすら閉ざされてきた歴史を進行形で暴く言葉の強度にやられる。

脱北成功者はようやくカメラと同じ主観的立場を獲得し、そこではじめて楽園や神と教え込まれてきた崇拝対象の正体に気付くのだが染み付いた洗脳は簡単には解けないし、自分たちが解放されたとて国の実情は何一つ変わらない。
二組の依頼者が成功例と失敗例へ二分されていく現実、しかし双方とも自由と守るべきもののために命を懸けている。
囚人13号

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