特売小説

ビヨンド・ユートピア 脱北の特売小説のレビュー・感想・評価

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ドキュメンタリーなんて信じない
カメラはそこで回ってるんだぜ

と、詩ったのは斉藤和義ですけれども。

本作の為に撮られた映像が、語られた証言が、全部嘘だったらいいのになぁ、という事ですよね。

いや脱北をなかった事にしろと言ってるんじゃなく、そもそもその必要がない世界じゃないと俺みたいな人間が行儀よく真面目なんて出来やしないぜいえー、なんつって臍曲げていられねえじゃん、という意味ね、夜の校舎窓硝子壊して回るぜひゃっはー、なんつってね。

夜中にトップバリュの硬めに揚げたポテトチップス貪りながらだらだらアマプラ眺めて俺は自由じゃないし幸福でもないぜと嘆かせてくれよ、いい気なもんでいさせてくれよ頼むから。

という事で。

しっかり筋道を持たせた構成が故にとても見やすく、そこで語られる逸話の数々がまさに想像を絶する内容、端的に、言葉を選ばずに言えばとても興味深く、それこそ北朝鮮の成り立ちから学び直したいと思うくらい、没頭しましたよ、と。
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