このレビューはネタバレを含みます
画面と定点カメラに映る人間の小さいこと、そしてその外側世界のなんと広大なこと、驚くべきところばかり。
荒野に風の中で一人佇むことの酷たらしさと美しさとが混在するとにかく大きな映画。
終盤、ラグナルが「祈ってくれ」と繰り返すシーンの苦しいことといったらない。おそらく神がいなければ彼は畏れを感じることのなかった。
あの切実なシーンに祈ることのできなかったルーカスはやはり既に道を見失っていたように思うし、人間にできることは限度がある、矮小であるという感が残る。
人間がどれだけ思考しようと、足掻こうと、自然はただ意思なくそこに存在し、その中で祈るしかない光景は美しくもあり、やはり途方もなく残酷だ。
自分の外にある了承し得ない世界、広すぎるし大きすぎるし怖すぎる。でもきれ〜