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Flux Gourmet(原題)
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『Flux Gourmet(原題)』に投稿された感想・評価

4.1
スカトロだってアートなんだ!!

アートを探求してたら顔面にうんこを塗りたくるスカトロに行き着き、更には大腸カメラ施術すらアートにしてしまうトンデモホラー!異色作連発のストリックランド監督の“らしさ”全開!うんこにオナラに…な臭い立つゲテモノ感とオシャレ感の不思議な融合!

料理が発する音を使ってパフォーマンスアートを製作する三人組を通して、芸術家が直面するプロデューサーや仲間たち、その他関係者とのイザコザを風刺的に描いたブラックコメディ。監督の自伝的作品らしいけど、どこまでが自伝なんだろ…流石にスカトロは違うよね…?😅というかmubiで公開してる短編でも美男子に無修正ガチオナニーさせてたし、何というか…最高な監督さんですわね😂

泊まり込みで芸術家を育成する一ヶ月間?のプロジェクトに参加した三人組(エル、ラミナ、ビリー)。演習を繰り返して「芸術」を高めていく中で、フランジャーというエフェクター(初めて聞いた😂)を巡って口出ししてきたプロデューサーとバチバチのバトルを繰り広げる。高圧的で独善的でフェミニストでビーガンな面倒くさい系おばさまエルに反撥する他メンバーとの内紛も次第に加熱化し、会場内の雰囲気は最悪…。そんなカオスな様子を、腹痛持ちで屁こきな書記係ストーンズを通して描いていく。エルがスカトロパフォーマンスするんだけど、実はうんこじゃなくて…っていう根性なしっぷりも性格の悪さが滲み出てる!やるなら本物でやってよ!


以下ネタバレです。スルー推奨です。




過去作『バーバリアン…』の変調のような内容で、キャベツを刺したりスイカを潰したりといった音が、人を殺害する時の音へと変換された『バーバリアン…』での「同じ音が全く違う効果を齎す作用」を料理に当てはめ、ある人にとっては大好物だけど別の人にとってはアナフィラキシーを引き起こす真逆の作用に触れたことがエルの芸術への根源的なもの(自称)となっている。死を笑った罪悪感と一般人とは外れたある種の個的な正しさを混同させ、何かしらの現実に直面した人間の反応についての真逆の作用が齎した悩みこそがトラウマ的に作用し、そこに芸術性を見出した故の活動がパフォーマンスアートとして結実しているように見える。

貞淑な妻の教本のようなエドナメイへの態度を含めた家父長制への嫌悪、ビーガン思想等々への傾倒は時代的には主流へと傾くものであろうけれど、あまりにも極端で先鋭化しすぎるが故に誰からの賛同も得られない。作中で指摘されるような目立ちたい欲求によるものか、それとも純粋な思想によるものか…どちらにしても豚の屠殺、スカトロ、大腸カメラ、ラストと大多数の持つ食のポジティブな側面とは相反するパフォーマンスをエマは徹底している。

タブーを気にしないという旨のストリックランド監督の言葉を考えると、そういった思想を過激にかつ声高に叫び注目されることについて、何ともコメントしづらい思惑が見えてこないこともないけれど、その個人的欲求・思想と外見上(そう見えることも含めて)では見えてこないドス黒い内面の元に生まれてくる個の芸術と、それに何かしらの抑制なり手を加える外部との「ミス」とビリーが呼ぶような意図されないミックスによる総合芸術を本作は比較分析しているように見える。

思想は欲求により上書きされ、それは本人の意識すらも欺いて排出される。屁について何度も心配するエマに少し違和感を覚えたのだけど、何となくその意図は納得できる。人に向かって排出しまくるエマと人知れず隠れた場所で排出するストーンズ。彼にとっての毒を摂取しないことで排出を抑える行為は、彼のライターとしての性質(自らの身体を芸術に差し出したくない)を後押しするものだと思うし、だからこそ偽装された「その人の人生を賭けたもの」をそうだと信じて無批判に摂取して大喜びする。この何者をも神格化しない姿勢は流石のストリックランド監督だと思うし、ある種、そういった偽装する・偽装される関係性の元で芸術は発信・受信されるわけで、そこもまた受信側の大好物・アナフィラキシーの関係性に戻ってくる。そして彼は素晴らしいものとして「書く」のでしょう。

この「実態のない思想」の発信・受信の分析はまさに『ファブリック』『バーガンディ公爵』で、『ファブリック』で没ネタとなったジジイの射精→それが付着して模様となった衣服を「イイ!」と思って買ってしまう客…を本作で翻案して世相を色濃く反映させた上でやってるようにも映る。両作ともに外部からの侵食によるものとして描かれていたけれど、本作の場合はそこに加えて自身の経験とそこから生まれる心的リアクションすらも侵食として深化させ、そのもとに排出されたものが真なる自己だとの認識ですら自身が欺いた虚偽に基づく誤認でしかないのではないか…ということをやろうとしてるように感じた。だから若干似てる『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』のような確固とした自己すらもマヤカシで、誰も神格化しないどころか自己含めた全方位を嘲笑うかのようなスタイルは超好き!そんでその偽物だらけの混乱した状態そのもの、無自覚な「Fabric」状態の気持ち悪さをアートだとしたいんでしょうね。とはいえ、ホラーと言えるかどうかは割と微妙…。スコアは甘めで!
GreenT
3.0
全く意味不明だけどなんか興味を魅かれる!

えーっと、3人組のバンドがいて、その人たちは "sonic catering" というサウンドを追求しているらしいのだが、ジャン・スティーブンスという金持ちの女の屋敷でリハーサル・練習をしている。

そのリハが、ジャン・スティーブンスが言う通りにパントマイムしたり(なぜかいつもスーパーマーケットでどういう行動に出るかってプロット)、キッチン器具からの音でサウンドを作り上げ、それに合わせてリーダー格のエレという女性がプロヴォカティヴなパフォーマンスをする。

なんか前衛アート?みたいな。

んで、このバンド(名前がまだない)のリハ・練習の模様をドキュメンタリーとして記録するためにジャン・スティーブンスが雇ったストーンズと言う名前のライターがいて、この男は冴えない男性で、ライターとして食っていけないからこういう仕事を受けるみたいなんだけど、この人はバンドの活動の写真を撮り、メモを取り、と四六時中バンドと共に行動している。

なんだけど、ストーンズはお腹の調子が悪く、ジャン・スティーブンスのお抱えのドクターに見て貰う。

このドクターがすっごい嫌味なジジイなんだけど、会話を聴いているとどうやらこれはジョークなんだなと思う。でやたら "Wind"って言葉が出てくるからどんな病気なんだと思ったら、Wind って「おなら」をシュガーコートした言い方らしい。

全編訛りのある英語なんだけど、ストーンズが自分のお腹の調子が悪いのを語るときだけギリシャ語になる。他の人とは英語でコミュニケーションしているんだけど、心の中の声はギリシャ語らしい。

で、その内容がおかしくって、つまり要約すると「いかにおならを我慢しているか」を延々と語っているだけなんだけど、すっごい真面目そうな口調で、すごい重要なことみたいに語るから面白い。

本人にとってはすごく重要なんだろうけど(笑)

この映画すっごい知らない英単語が出てくる。私もいい加減アメリカ在住30年なので、意味わからなくても「聞いたことない」って単語はあんまりないし、あっても会話の内容を聴いていると「ああ、そういう意味か」って解ること多いんだけど、この映画で聞く単語は全く聞いたことないし、話の内容からも全く意味が解らない。

おならを "Wind" って言うのは、英語圏の人には当然のことだけど私が知らなかっただけかもしれないけど、例えば "sonic catering" って言うのは監督のピーター・ストリックランドがやってる前衛音楽の名前らしく、私にはキッチン器機でサウンドを作っているように見えたけど、本当は「食物を鳴らす」ってことらしい(お肉を焼くとき「ジュー!」って言うとかそういうの)。

これに関してはiMDbの投稿でも「Sonic Catering って本当に存在するの?」って言ってる人もいたので、アート界隈の造語とか?そういうのも多々使われているのでさらにややこしい。

んで結局なんなんだ、って言うと、どうもこういうパフォーマンス・アートとか、前衛芸術?みたいのの風刺らしい。エレというリーダー格の女性は妥協を知らないぶっ飛び芸術家タイプ、とか、ジャン・スティーブンスはこういうアーティストが好きな金持ち?みたいな?

多分監督の周りにはこういう人がたくさんいて、そういう人達を風刺しているので、私たち凡人にはちんぷんかんぷんなんだろうと思った。iMDbの投稿で「自分はアート・スクールに通って、実験的サウンドの修士課程を完了した者だが、これは笑える。特にフランジャー・ペダルをめぐるドラマは最高。最後にフランジャー・エフェクトが聴ける!ニュアンスのある風刺なので分からない人がいてもおかしくない。誰にも解らないような映画を敢えて作ったってのが面白い!」って言ってる人がいて、やっぱその界隈の人ならわかるんだって思った。

このフランジャー・ペダルって言うのはいわゆるエフェクターで、メタルのギタリストはエフェクターいっぱい使うので私も知ってたけど、どういうエフェクトなのか、言葉で説明するのは難しいので "flanger pedal sound" でググるとメタル・ギタリストが説明している動画が出てくるから見てみてください。

しかしこの映画の中でのフランジャー・エフェクトはもはやなんなのか良くわかんなかったけど、とにかく劇中ではジャン・スティーブンスがフランジャー使うな!って言って、エレは人から自分の芸術に関してとやかく言われるのが嫌いなので「使う!」って言うんだけど、フランジャーを駆使しているビリーってメンバーは「いや別に使っても使わなくても些細なエフェクトだから変わらない」と言う。

確かに言われてみればこのバンド内での力関係はあるあるで、ビリーともう一人のメンバー、ラミナは楽器を演奏できるんだけど、エレはパフォーマンスがぶっ飛んでいるだけで、フランジャーがなにかさえ知らない。ただアーティストとしてのエゴで使うと言い張っているだけ。で、そういうエゴの強いエレに付き合わされる他のメンバーがいなかったらエレはパフォーマンスができないんだけど、逆に他のメンバーはエレみたいな人がいなければ誰にも振り向いてもらえない。

私はストーンズって人が「何を書いているの?」って訊かれて「感情とか考えとか・・・」ってぼんやりしていて、自分が小説家なのか、どういうたぐいのライターなのかわからないって人なんだけど、この人の気持ちが一番わかったので「やっぱ私はアーティストじゃなくて凡人なんだわ」ってすごい思った(笑)。

でもこのストーンズって人がおならが止まらないってのは"fart"と"art"を掛けているらしい。

なるほど~。

でも面白いかって言われたら・・・なんどか爆笑したことろあったけど、あとはほとんど「わけわからん」

でも興味を魅かれたことは間違いない。低予算だけど役者も映像も悪くなかったし。あ、そうそう、実験的サウンドが意外と嫌いじゃなかったってのも個人的には「へ~私ってこういうキャパあるんだ」って思わされた。

「なんかすげー変わった映画を観る気になった!」って気分の時にはツボにはまると思いますが、そうでなかったら5分でリタイアするような映画だと思います。
ピーター・ストリックランド監督の何だかよく分からない変な映画。実験的パフォーマンスで使う食べ物を汚らしくマズそうに映すのよね。そのパフォーマンスを取材するお腹の調子が悪いライターやいつもワイン飲んでる不気味な老医師とか、登場人物が個性的で笑えた。ジージャンにジーパン姿のビリーが「アウトサイダー」のラルフ・マッチオに見えてしょうがなかった!エフェクターのノブをつまむ黒のネイルカラーを塗った長い爪が印象に残る。

フランジャーというエフェクターのことなんかは、電子音楽作る人にはもっとおもしろい話なのかもしれないね。でももう1度観ようと思う。

鑑賞日: 2024年8月31日