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コヴェナント/約束の救出の広島カップのレビュー・感想・評価

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)
3.9
昨年、ドキュメンタリー映画『劇場版 荒野に希望の灯をともす』(2022)で「こういう所なんだ」と思って観ていたアフガニスタンの荒野。
同じ彼の地を舞台にして本作は米兵とアフガニスタン人通訳の二人がタリバンに追われて逃げる話。
渇いて荒涼とした土地に命を賭けたハラハラの逃亡劇が展開します。
二人を生け取りにしようと次から次へと湧いてくる無数のタリバン兵士を相手に必死に逃げる二人。移動遊園地にある射的のマトのように次々と二人に射ち倒されて行くタリバン兵士達には少し同情はしますが、二人にも徐々にダメージが蓄積して行って間一髪を良く描けたドラマ構成です。

通訳という形でアメリカ軍の味方につくとアメリカへのビザが発給される契約(covenant)になっていますが、その代わりにそれはタリバン側から命を狙われる事を意味します。そうした契約を上手く作品に反映しています。
エンディングを観ると実際にこうした契約を交わしたアフガニスタン人は結構いるみたいで、正に人生を賭けた国外脱出計画が現実に行われていたことを本作で知りました。

冒頭のドキュメンタリーでは医師の中村哲さんがアフガニスタンでの日本人の株を上げましたが、彼の地での日本の人気が伺われるシーンが本作にもあって、逃げる二人が乗る車がトヨタで追うタリバンが使うのが日産。彼の地では性能の良い日本車が人気なようです。
もっともタリバンがアメ車に乗っていたらシャレにならないですけどね。
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