ムビチケが当たって、朝1人で新宿へ。
これが存外質が高いし面白かった!
出来が良すぎてほんと早起きは三文の徳以上の良い体験だったと思う。ほぼスクリーンを独占状態だったし!
コヴェナントって宗教的な意味合いも持ってて、個人的には結構強い意味の言葉だと思っている。
命を預け合った者同士の契り、国と通訳とで存在する見せかけの強さの契りを皮肉っているという意味では本当にピッタリなタイトルだった。
2018年っていうアフガニスタン戦争末期のタイミングで、しかもたった6年しか経ってない。その中でここまで激しい命の奪い合いが起こっていたことに、そして何より自らが不勉強で無知蒙昧であるということに憤りを覚える。
そしてその中でも意外な盲点である通訳を主軸に置いた話。いやぁ、目の付け所が素晴らしい。契約履行が遂げられていないこともままあるっていうことも知らなかった。
アフガニスタンにルーツを持ちながら、タリバンに賛同していない者たちはアメリカに通訳として協力をすることで永住権を与えられる。この時点でタリバンにとって彼らは売国奴になる、つまりは死と隣り合わせとも言える。命を賭けて通訳を全うした先にあるものが確約された未来でなかったとしたら互恵関係とは言えないし、単なる裏切り的な使い捨てだ。こういった見えなかった事実、いや見ようとしてこなかった事実にフォーカスを当てただけで本当に素晴らしいと感じる。
こう言っちゃあれだけど、ただの問題提起だけで終わってたらここまで高評価じゃない。
映画として、エンタメとしてもかなり質がいいのよ。
ミリタリーアクションで緩急が凄くて、緊張感が尋常ではない。正に、死と隣り合わせが連続する。一寸の隙もなく恐怖は襲いかかるし、眼前に広がる砂地とタリバンの存在は圧倒的なまでの絶望感を突きつける。これによって契約履行をしていないという暗い事実の重大さが際立つ。
締め方も映画的で、言うのが憚られるけどかっこよさすら感じてしまう。
何にしたって隙がない素晴らしい映画だった。あんまりガイリッチーにはハマってないけど。
あ、そういえばアントニースターが一瞬ホームランダーって気が付かなかった。喋った時に発音で気づいたけど、あれは見た目だけじゃ分からないかも。