ボクシングを始めて僅か1年で、オリンピックの金メダル獲得。
無敗で世界ヘビー級王座に登りつめたジョージ・フォアマン。
しかし彼の人生を称賛するものは、その後にあった。
試合後の熱中症により死の淵を彷徨った事より、ボクシングを捨て牧師へと転身する。
宇宙飛行士が体験するような、究極の境地から、何かを悟ったのか。
教会を作り、青少年のためにスポーツセンターを提供し、社会貢献の平穏な暮らしを築いたかに思えたが、再び転機が訪れる。
十分な資金が残っているはずの預貯金が、底をついてしまう。
再建のために、再びリングにあがることを決意する。
ボクシングシーンはあるが、主題はフォアマンの人生の闘いを描いたものである。
フォアマン自身のヘビー級ボクサーとしての才能もあるのだろうが、ロッキーのような過酷なトレーニングによる、奮い立つファイトを観せるものではない。
誰もが、不可能だと思われていたことを、いくつも覆してきたチャンピオン。
その記録が綴られた物語である。