三宅唱監督、やはり間違いない。
今をときめく松村北斗、上白石萌音を主演に迎えたヒューマンドラマ。
パニック障害とPMSそれぞれの障がいを抱えた男女の交流を描く。
映像がとにかく素晴らしいし音楽も良い。
相手や周囲を理解した気にならないことで見えてくる優しい小宇宙。
完全に理解できなくとも、繋がる事のできる計り知れない可能性が見えてくる。
仕事もプライベートもその障がいとは付き合わなければならない。
人間もまた一緒。
治すのではなく、付き合っていくこと。
またそのためには周囲はどう理解し、接していく事ができるかも見えてくる。
優しい作品である一方、ちゃんと折り合いがつきにくいこともちゃんと描けた上で、希望のある展開が沁みる。
2人のやりとりも良い意味でサラッとしているし、ずっと観ていられる。
そして来るそれぞれの道に対しても、これからどうなるかは分からないけれど確実に変化が良い方向に向いていることを感じさせる。
第一印象とその変化。
この規模感だからこその温もりが画面から溢れる。正に映画館だからこその傑作。
