AzumiIto

夜明けのすべてのAzumiItoのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.8
私はとても好きな映画だった!
パニック障害を抱える山添くんと、PMSを抱える萌音ちゃん藤沢さん(2人は同僚)のお話。

身内だったり身近に精神の病をかかえてる、かかえてた人がいて2人の表情だったり考えってのがなんとなくわかるし、北斗とかもすごいリアルな演技してて(もはや演技でもないようにも見えちゃって)、すごかった。

大人になると思ってるより人って脆くて、思ってるより自分も周りも崩れやすいし崩れてる人も多いし、そんな2人が恋人でもなければただの同僚として(ただのよりはお互いに崩れやすい時期をケアし合ってるからただの同僚 ではない)生活してる姿が描かれているのが日常感あって良かった。

山添くんは藤沢さんにもらった自転車もつかってなかったけれど、人となりを知って心を開いてきているのを表情で感じ取れたし、本当に表情顔つきが随分変わってた、自転車に乗っている中で新しいこれまで徒歩でしかいけなかった場所以外を知れて嬉しそうだったし(第一歩だね)、私も嬉しかった。私のいとこも精神的な病気抱えてる子いて、自転車は本当に好きで何キロでも自転車で走ってた(事故とかないか心配になっちゃう部分はあるけど好きなんだろうなって)

藤沢さんもきつい時期に自暴自棄になってイラついてる時、自転車に乗ってくれてる山添くんを間接的に観るだけで少し気分が和らいでやるかあってなってて、干渉しすぎないけれど、支えられる存在って感じがしてすごくほっこりした。

男女の関係って聞くとすぐ恋愛になりがちだけど、この映画は忘れ物したって1人が戻ろうとしても、一緒についていく描写もなければ、離れた後振り向きもせずに本当に同僚の関係は崩れずにそれが良かった。

あとは場面も多すぎないのが良かった。職場、家、実家がほぼ。最後のプラネタリウムの場面の社長さんの弟さんの言葉、あそこで涙が出て、とてもあたたかい涙が出て、心からよかったね。と思った。みんな自分なりに頑張ってて。

私は1人で見に行ったけど、1人で見れて良かったな。でも誰かとも見に行きたいなとも思う。
とても良かった!!
AzumiIto

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