16ミリフィルムの質感が映画の題材とマッチしていて、登場人物たちを優しく包み込む。劇中で3回くらい泣いた。
特に、光石研と渋川清彦の優しさに胸がつまる。自分達も、喪失感と深い悲しみを経験しており、その経験が他者への優しさに繋がっているのが、本当に泣けてくる。
映画の中で、お菓子を渡すシーンがたくさん出てくる。「贈与」は、この映画の一つのキーワードになっているように思える。贈与、渡す方は何も思っていなくても、受け取る方が「何か返さなきゃ」と呪いを受け取るとも言われている。
松村くんは最初、それを嫌がっていたけど……。この辺りは、もう一度観返したときに、ちゃんと考えたい。