いもうえゆき

夜明けのすべてのいもうえゆきのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
3.8
つきあっていかなければならない自分の特性を持った人たちとその周りの大人を、静かに優しく、でも嘘のない形で描いてくれて、本当に三宅監督も瀬尾まいこもあっぱれです👏
構図として、どこか「正欲」に近くこの世を生きていくために助け合いましょう、というものなのだけれど、じゃあ「この世」が厳しく辛いものかというと、そうは描いていない。2人を取り巻く社会は優しい眼差しに満ちていて、それがスッと入ってくる。正欲は特性が絶対人に言えないものなのもあると思うけど、社会側の目線を厳しく、強い言葉で描いていたから、わたしはこっちの方が好き。
ビブラホン?のようなやわらかいBGMが最初、途中にちょこちょこ入っていて、それが心地よく、大きな事件は起こらないこの映画のリズムになっている。
松村北斗さん、映画で初めて見たけど、こういう男性いそうっていう感じでいい演技。この職場、一番良いのでは?周りの大人がズケズケ踏み入って来ないで助ける時だけしっかり守ってくれるの、ほんと泣けた。三宅監督、やっぱり最高!映像の色味、光が美しいのも三宅監督っぽさかな。