mmmu

夜明けのすべてのmmmuのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.1
わーよかった 自分自身学生時代から定期的にイライラして人にあたったり物を壊したりしがちで、それがPMSとかPMDDって呼ばれるようなものではないかと気がついたのはごく最近で、判明してからも婦人科で処方された大量の漢方を溜め込んだり、生理前だけ飲むと良いといわれた抗うつ剤で動けなくなったり、飲酒に逃げたりいろいろやって、最近ピルを服用するようになってやっと気持ちの波が落ち着いて生理も軽くなり春から新社会人で、あまりにも自分ごとで開始1秒から泣いてしまっていた (主人公の母が血栓症の既往があるからピル飲めない…っていうの、中盤で伏線回収されてておどろいた あまり説明しないかんじもgood)

栗田科学のオフィスの作りがすごく良くて手前に受付とデスクがあり奥に応接間?的な中二階があり、その奥行きを使った構図の密度の濃さがそのまま息苦しさにリンクしたり、道ゆく自転車の女子高生の恐ろしさや、団地で遊ぶ子どもたちの息遣いをそのままもっている 冒頭の雨もほんとに良くてこういう日がこれからわたしに何回あるだろうと考えちゃうんだけどそれも惑星のなりゆきだから…

主人公たちが働く、子ども向けの夏休みの自由研究キットみたいなのをつくる小さな会社は、すごくやさしい世界に見えるけどありふれているのだとも思う 藤沢さんがキレはじめたときの周りの社員の反応とかすごくあたたかくて泣いてしまったけど色んな経験の結果ああいうふうになっているんだろう あそこが自分が生きてる世界と地続きなはずという手応えだけたしかにある とてもうれしい 

映画のつくりとしては正直ケイコの方が好みだったんだけど、一年に一本ほどある「自分ごとすぎる映画」だったやつ、です
mmmu

mmmu