Ryoma

夜明けのすべてのRyomaのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
3.7
これはほとんど一般論だと思うのだけど、“端正”“洗練”“慎ましさ”を核心として品良く塗装された表現は信用できないし弱い。仮に“映画の魂”みたいなモンがあったとして、それを程よくさわさわ撫でて、ほんで皆がニタニタ笑って癒やされている光景は、感動的なまでに気色が悪く、頭が悪く、表現として途方もなく愚かで劣っている。一番端を引っ張ってクシャクシャにして火をつけて宇宙の底に放り投げたいね。バイバイって。まず、仮にでも映画の魂ってモンがあるんなら一切迷うことなくそれを刺さなきゃならんし、ズタズタに引き裂いておしっこをかける必要がある。とまではいかんくとも少なくとも己の表現に甘んじることなく常に疑いの刃を研ぎ澄まし、その刃で自分自身(≒作品)を刺して、刺し続けて、内臓を抉って、痛めつける必要がある。そうじゃねえとマジで弱くて笑けてくるわ。これほんとに。美と醜がほとんどダブって見えてくるほどの矛盾性≒複雑性を醸さなアカン。マジでみようとするものの魂を抉り・ぶちのめすこと。芸術体験は癒しから一番離れたところにある血みどろの戦争だから。ほんなら真っ先に、みられるものの魂をズタズタに引き裂いて見たくもないものを凝視してそこで厭にうねって脈打ってる血潮みたいなアレを、黒々くて生々しい糞みたいなアレを全身に刻み込まんと。そうじゃねえとなんも始まらねえよ。っていうのが俺の映画引いてはあらゆる表現に対する基本的な立場・考えなんだよね。ほほおん。ところで……
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