Barboncuraさん

夜明けのすべてのBarboncuraさんのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
5.0
16mmフィルムで切り取られた東京の南側の景色は、今自分たちが生きる世界と地続きのようであり、小河ケイコが住む世界でもあるように感じた。
"理解の入口に立った時がときめき"という宇多丸さんの言葉には非常に感銘を受けているのだが、この"ときめき"の先は恋愛感情だけなのだと、自分は思い込んでいた。
しかしこの映画では、理解の入口の先にいくつもの可能性があることを描いており、その一つ一つに気づく度、胸が熱くなり鼻をすするのであった。

とある女性2人が初めて相対するシーンは、映画史上きっての名シーンであり、得てしてそういうシーンは笑いと涙が同時に浮かんだりする。