Barboncuraさん

ラヴ・ストリームスのBarboncuraさんのレビュー・感想・評価

ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)
4.3
恥ずかしながらジョン・カサヴェテスの映画を初めて観た。
若い時分は知らない映画の話をされると、知ったかぶりをして話を合わせた後に、急いでレンタルして観るという阿呆な所業をしていたものだが、不惑を前に"知らないものは知らないと言える正直な大人になろう"と考えを改め、観た事ないから一緒に観ようと友人を誘えるようになった。

冒頭恥ずかしいと書いたが、実は恥ずかしいという気持ちがなくなっただけなのかもしれない。

ラブ・ストリームスの主人公達も、恥という概念から解き放たれているように感じた。とにかくやってる事は無茶苦茶で、"お前何がしたいん?"と言うのを我慢しているその他登場人物にこそ共感する。

観終わったあと、何故共感出来るのか考えた。僕が思うに他の登場人物は皆、己の欲望や願望が手に取るように分かるからなのではないだろうか。
それと比べて主人公の二人は、性欲や支配欲といった明確な目的が無い"ラブ"を希求している人物であり、自分たちもどこに向かっているか分かっていないのである。
そう思いつくに至り、なるほどこれは凄い映画なのだなと思うのであった。

あと友人と二軒目で食べたおでんがとても美味しかった。