「余裕のあるひとが弱いひとを守る」のではない、みんなが弱さを抱えながら他人を支えることもできることが描かれていて、静かだけど力強い、とてもよい映画だった。
PMSやパニック障害について知ることからはじめる、自分だけでなく他人の弱さも認め、ときに悲しみを共有する…社長や山添くんの元上司のように明確に描かれてなくとも登場する全員がなにかしら抱えてそうで、でも彼らはちがう面では他人をケアできるのだ。手足に麻痺の残る母親が定期的に娘に小包を送るのとか、その詳細は語られないし、お礼の電話はいつも通じない(会話がない)けど、よほどの労力であろうことは想像できる。
母親だけでなく、この映画ではみな他者のごはんを心配し、おやつを与え合う。こういうのがささやかながらも「あなたを気にかけていますよ」というサインになるのだなと思った。