もち

夜明けのすべてのもちのネタバレレビュー・内容・結末

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

「夜についてのメモ」、少し気持ちが軽くなった気がして沁みた。夜空を見上げる冬の空が大好きです☪️

夜明け前がいちばん暗い。
これはイギリスのことわざだが、人間は古来から夜明けに希望を感じる生き物のようだ。
たしかに、朝が存在しなければ、あらゆる生命は誕生しなかっただろう。
しかし、夜が存在しなければ、地球の外の世界に気づくこともできなかっただろう。
夜がやってくるから、私たちは、闇の向こうの途轍もなき広がりを想像することができる。
私はしばしば、このままずっと夜が続いてほしい、永遠に夜空を眺めていたいと思う。
暗闇と静寂が私をこの世界に繋ぎとめている。
どこか別の街で暮らす誰かは、眠れぬ夜を過ごし、朝が来るのを待ちわびているのかも知れない。
しかし、そんな人間たちの感情とは無関係に、この世界は動いている。
地球が時速1700キロメートルで自転しいる限り、夜も朝も、等しくめぐって来る、
そして、地球が時速11万キロメートルで公転している限り、同じ夜や同じ朝は存在し得ない。
いま、ここにしかない闇と光、すべては移り変わっていく。
一つの科学的な真実、喜びに満ちた日も、悲しみに沈んだ日も、地球が動き続ける限り、必ず終わる。
そして、新しい夜明けがやってくる。
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