れおん

死霊館のシスター 呪いの秘密のれおんのレビュー・感想・評価

3.6
1952年、ルーマニアにある修道院で起こった惨劇から4年後のある日、フランスにて神父が、4年前の事件と顕著に類似する不可解な死を遂げる。悪の元凶である『シスター・ヴァラク』の再来。かつては天使だった悪魔が、神に拒まれ、戻ってきた。ある聖遺物を見つけるために人を殺めることを繰り返し、ヨーロッパを旅している悪魔を止めるべく、アイリーンは自身の命を顧みずにシスターとして、果敢にヴァラクに挑む。

ジェームズ・ワン製作のホラーシリーズとして10周年を迎える『死霊館』。製作ないし時系列的にも前作となる『死霊館のシスター』のコリン・ハーディから『ラ・ヨローナ』で気鋭されたマイケル・チャベスが監督を務める。

芸術性の高いジャンプスケアと最新鋭の「映像」というより「特殊メイク」で、"見たことのない"悪魔の姿を迫真の演技とともに魅せてくれる。前作からほぼ物語は進まないものの、新たに謎解き要素も加わり、飽きることなくホラー映画のスリルを味わい尽くすことができる。次回作へと繋がるよう、前作と従来のシリーズの旨みが上手く調合されている。

バリエーションに頭打ちが来たJホラーが迷走しているなか、A24を中心にサイコホラーが台頭している近年のホラー映画界。人間が物理的に震えてしまう絶妙のタイミングを知っているジェームズ・ワン、王道のジャンプスケア系ホラーの可能性をさらに広げていってほしい。
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