なお

チャレンジャーズのなおのネタバレレビュー・内容・結末

チャレンジャーズ(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ゼンデイヤ目当てで。

『君の名前で僕を呼んで』などを代表作に持つルカ・グァダニーノ監督作品。
また製作には主演も務めたゼンデイヤ自らも携わった。
(以前から彼女は映画製作の方にも意欲を示していたそうな)

✏️脚がグンバツの女
このご時世にそぐわない表現ではありますが…
ゼンデイヤがマジで「イイ女」すぎてさァ~~~………
なんですか、あのどこまでも続きそうな長すぎる脚。

彼女は本作でプロテニスプレーヤー、タシ・ダンカンという女性を演じたが、もう本当に劇中の彼女はモノホンのテニスプレーヤーにしか見えなかったからね。
(ちなみに彼女は学生時代、フラダンスやヒップホップダンスを学んでいたそう。他にスポーツはやってなかったのかな)

さてこれ以上はただのゼンデイヤ語りになってしまいそうなので、ストーリーの感想に話を戻しましょう。

類まれなる才能と実力を持ちながら、膝の大ケガで選手生命を終えた元天才テニスプレーヤー、タシ・ダンカンを巡る2人の男の"攻防"を描く本作。

「2人の男」パトリック・ズワイグ(ジョシュ・オコナー)とアート・ドナルソン(マイク・フェイスト)はダブルスを組むプレーヤーとして、互いに切磋琢磨し合うライバルとして、最高とも呼べる友情を築いている。

そんな2人とタシの出会いは3人がまだティーンエイジャーのころ。
タシの鮮やかなテニスのプレーとその美貌に魅了された2人は彼女に猛アタック。
そこでタシが放ったセリフは

「明日の試合で勝った方と付き合ってあげる」

もうね。
こんなこと言われて燃えない男がいますか?

この瞬間から、タシは2人のテニスひいては人生の勝敗を、テニスコートの真ん中に座ってジャッジする主審(チェアアンパイア)へと役どころを変えるんですよね。

そして2人もこの挑発に乗ってしまう。

「だって俺たちテニスが強いから」

…そう、強いから。
「テニスが強い」それゆえに2人の人生の行方は思わぬ方向へと転がっていく。

タシは常に真ん中から2人のゲームを眺めていた。
それはパトリックとアートが最後に対決する際の座席の位置もそうだし、3人がまだティーンエイジのころ、パトリックとアートが滞在するホテルの一室にて2人のキスを眺めていたのも「真ん中」だった。

このへんの演出は非常に明快で、この映画をどのようなスタンスで見ればいいのかが初めにバチッ!と分かるようになるので実に親切。

その後はまるでテニスの試合さながら、ラリー勝負を続けながら「タシの愛」という名のテニスボールの行方をテンポ良く追っていく。
大親友だった2人を引き裂き、それでも繋ぎ止めていた「タシ・ダンカン」という女の底知れなさをつまびらかにしていくこのスピード感は圧巻。
時系列もしょっちゅう変わるので、話の展開についていけなくならないよう注意が必要だ。

タシ・ダンカンという女の人生の目的は常に「最高のテニスを見たい」ということに一貫していて、最高のテニスを見るためなら"ラケット"の交換も厭わない清々しさ。

アートとの間に子をこさえた後にも関わらず「明日負けてほしい」といってパトリックにすり寄るし、「明日負けたら別れましょう」とアートに突然切り出すテニスジャンキーっぷりは、見る人によってはかなり好き嫌いが分かれそう。

またトムホが嫉妬に狂うんじゃないの、と思うほど頻繁にまぐわうし、熱烈キッスを交わすシーンてんこ盛り。
そんなもんで、爽快なスポーツ映画だ!と勘違いしてカップルや家族で鑑賞に行くのもあまりオススメできない。
(まぁカップルなら別にいいか)

好き嫌い分かれそうな要素は数あれど、自分は「18歳から34歳」という幅広い年齢層を演じる3人の演技力に圧倒され、最後まで夢中で鑑賞することができた。

34歳のゼンデイヤはちゃんと34歳に見えたよね。
特殊メイクとか使ってるんかなぁ。スゴい。

☑️まとめ
本作は4月26日~4月28日の週末興行収入ランキングにおいて初登場1位を獲得。
グァダニーノ監督史上最高の成績であり、またゼンデイヤが手がけた実写映画としても最高記録をマークした。

ちなみに米国での配給はAmazonの子会社であるAmazon MGMスタジオ・ディストリビューションが行っている。
近々アマプラにも配信来そうですね。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★★★☆
🏃‍♂️テンポ:★★★★☆

🎬2024年鑑賞数:50(24)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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