ブラックユーモアホフマン

チャレンジャーズのブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

チャレンジャーズ(2023年製作の映画)
4.3
いい映画だ。
現在のテニスの試合の経過に過去の三人の関係性を重ねて。綺麗すぎるくらい綺麗な脚本。
しかしその撮り方、音楽のつけ方、編集の仕方はなかなかトリッキー。
『突然炎のごとく』みたいなヌーヴェルヴァーグの恋愛映画とか、なんでもいいけれど、古来より女一人、男二人の三角関係を描いた映画なんか今までも腐るほどあったけれど、それを如何に描き、現代の観客にどう見てもらうかってことをちゃんと考えて作ってるんだなと感じて、ルカ・グァダニーノ偉いな、と思った。
『君の名前で僕を呼んで』にもあったような、若者の溌剌とした健康的なエロさが本作でも炸裂していて、明らかにこれはグァダニーノの資質なんだろうなと思った。実は近い映画なんだろうけど、使われている音楽のジャンルの違いに象徴されるように、変調させて描いてるのかも、という印象を受けた。
最後の30分くらいだけ、ちょっとあんまりにドラマを引き延ばしすぎていて、もったいつけすぎていて飽きた。なんか最後だけ惜しい。131分あるけど、2時間に収まってたら最高だったと思う。

【一番好きなシーン】
やっぱ最初に二人同時に惚れちゃって、その夜までのところ。