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めくらやなぎと眠る女のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

めくらやなぎと眠る女(2022年製作の映画)
2.5
【村上春樹の小説がフランスでアニメ化】
横浜フランス映画祭2024で村上春樹の小説をアニメ化した『めくらやなぎと眠る女』が上映された。知人が昨年の年間ベストに入れていたので気になって観たのだが、そこまでピンと来るような作品ではなかった。

『すずめの戸締まり』が、巨大ミミズによる地震を阻止するための冒険譚であったが、そのルーツは村上春樹にあったのだろうか。モチーフが似ている本作を観ながらふと考える。そしてこちらは、失踪したキョウコ、小包を届けるために北海道へと向かうコムラ、そしてその同僚のカタギリの旅を編み込んでいくことで、東日本大震災後の心理を紐解こうとしている。映画は夢から現実へと引き戻される様を透明感のあるボディでもって演出している。例えば、電車で寝ている人を透明に描くように。そして怪物が出てくる空間から現実に引き戻す運動の反復によってトラウマを捉えようとしているように見える。しかし、フランス人から見た日本の珍妙な画以上のものはなく、単に3つの話が並んでいるだけのように思えて、あまりピンとくるような作品ではなかった。村上春樹の場合、持論が展開されるはずなのだが、それが漂白されてしまったように思える作品であった。
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