村上春樹のオマージュ的な映画。タイトルの短編よりはいろいろな短編が入ったムラカミ・ワールド(世界)。桜と薄が一緒だという人がいたが、現実世界ではないのでいいと思う。「めくらやなぎ」も架空の植物なんだから。そういう世界だからこそ「かえるくん」が「みみずくん」と闘争しなければならないのだ。震災の不安。映画では東日本大震災後だが、村上春樹は阪神大地震だった。そういう変更はあると思うが村上春樹の文学の特性、引用と断片性は、村上文学そのものの世界のように思えた。ワタナベノボルという名の猫も。半分は寝ていたけど、それでも夢心地な映画だったような。