「ムーミン」の話題があったので気になって観た。トーベ自身はフィンランドでもジェンダー的な人で孤独の中で「ムーミン」を描いたというような話。芸術家の父に認められずに芸術的な絵だけでは食べていけないので新聞連載の漫画「ムーミン」を描いたようなのだが、同性愛的な関係の演出家とのあれこれもあって「ムーミン」劇でも成功を収めていた。映画ではその演出家との関係の物語となっていくのだが、当時のヘルシンキの様子とかも伺えて面白かった。ジャズと実存主義というような中で自分がなかなか見いだせないトーベの孤独は、ジャズを踊っていても楽しい踊りというよりもハチャメチャな悲しみを漂って来るようでそのシーンが痛々しい。ムーミンのファンタジー的な明るさは、トーベが求めていたもので家族愛(父親から認められたい)とか孤独なスナフキンのような夫やトーベ自身はミイのようなワガママな女性だったのかもしれない。そういう関係性を一つの「ムーミン」というファンタジーにした裏話(ネガティブ)的映画だが良かった。