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AIR/エアのcyphのレビュー・感想・評価

AIR/エア(2023年製作の映画)
3.8
冒頭数分の1984年U.S.リミックス映像だけで最高〜!♡となっちゃう アメリカンドリームの光と闇、天性のスーパースターという虚像とビジネスとの輝かしい共犯関係というテーマは作中にも触れられるロッキーが既に描き切ってるものだと思うけど、本作はそれを企業視点、ミーティングやプレゼンなどのわたしたちと地続きの現実が大きな夢を仕立て上げていくサラリーマン奮闘物語として描いてるのでしっかりハズレなく面白い マイケルジョーダンがあくまで偶像としてしか物語に登場しないのも、キング牧師のスピーチやスケボーなどの最低限な伏線も、冒頭でソニーがしっかり大博打で痛い目見てたことも、ぴったり気持ちいい ノースカロライナのジョーダンの実家まわりの光の美しさとか妙に印象的だし、大事なプレゼンで身内が明らかにすべってるときに交わす目配せのリアリティなんかもちょうど気まずくていい 青年期の高揚が醒め不安に駆られゆく男たちの、またアメリカという国家のミッドライフクライシスを、それでも走りながらやっていくしかないのであるとあっけらかんとしたタフネスで取っ払うのも(そして史実がそれを強く肯定するのも)やった〜となりちょうどよかった たまにはこんなんでええんですわ
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