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アナログのakariのネタバレレビュー・内容・結末

アナログ(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

滝のように泣いた…。映画だから非現実的なはずなのに、途中から実録ドキュメンタリーを見ている気がしてきました。俳優陣のリアルなお芝居とアドリブっぽいシーンが良かったです。みゆきさんがpianoに来てくれなくなって、もういいよ…って泣きもせず酒を飲んで諦めるのがリアルすぎて辛かったです。全てを察しても踏み込まないマスターも良かったです。切ないけれど余韻は爽やかで、良い映画でした!
時間をかけることも直接話すことも便利になった現代では不要不急、無駄と言われるようになりました。それでも昔ながらに一緒にいたい人と一緒に過ごす時間には深い意味があると思えました。そのアナログさが良かったし、最後はデジタルが主流の時代になったからこそ二人の時間が作れた良さもありました。みゆきさんが木曜日をどれだけ楽しみにしていたか、日記でも最後のシーンでもものすごく伝わって涙が止まりませんでした。自分の大切なものを良いと言ってもらえたら、大切にしてきた時間、自分もまるごと褒めて受け入れてもらえたと感じられると思います。
ニノの演技、味があって好きです。みゆきさんの日記を読む場面で、涙だけで伝わる感情が確かにあって素晴らしかったです。朝からぬか漬け食べてニヤニヤしてるこんな可愛いおじさんがいてたまるか。陰でみゆき呼びしてるのも面白かったです。ITだの落語だの、男三人の会話が面白くて笑いました。「俺も誰かに好きって言いて〜」「気持ち悪〜」なんにも変わらない友達って感じがして最高でした。海のシーンは背景が美しくて癒されました。悟がみゆきさんの手をそっと取るところで心がほっと温かくなりました。みゆきさんが悟のお母さんの死を知っていて海に誘ってくれていたことにも感動しました。
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