柊

はざまに生きる、春の柊のレビュー・感想・評価

はざまに生きる、春(2022年製作の映画)
3.6
平日の昼間一回上映ではあっても観客4人だ。😩あ,今7人になった。でも少ない。こういう地味なテーマって,たとえ宮沢氷魚でも入らないんだ。まぁ彼以外ほぼ無名だしな。

で感想です。
一口に発達障害と言っても多分それぞれ人によって随分違うのだろうから,この表現で発達障害について何かが分かったわけではない。
これは屋内透という絵の才能を持った1人の人間の話として捉えたら良いと思う。
今の時代、生きにくさを抱えている人はあまたいるだろう。それでも自立して生きていかなければならないとしたら、アスペルガー症候群に属する人は上手に生育環境の中で得意な何かを見出すことに力を注いであげれば、親亡き後も自立の道は開けるだろう。何かに特化した人間は往々にしてどこか欠落しているケースは少なくないと思う。あとはそんな人を理解する人がいれば生きていける。そんな事例の一つであると思う。
このカップリングは決して夢物語ではなく、居心地の良い相手とは人それぞれ。そんな感じで観ていけば、とても自然に受け入れられる。

がしかしである。はるさんの私生活があまりにも好感が持てないのがねぇ。あの同居人がある意味気の毒だし,同情しか無い。特に何か問題がある描写も無いし、単なるはるさんの心変わり。ならあの設定が必要だったかは疑問。かえってはるさんの印象が悪くなるだけのような気もする。
たいして仕事もできない3年目の編集者が特集の相手に恋をして仕事をやり切るみたいな展開がどうにも腑に落ちない。仕事舐めてんのか?ってね。

そして編集部と葉山の距離感が近い。編集部いったいどこにある?
あとあの桜には食べられるさくらんぼは決して実りません。最後に食べたさくらんぼも鳥は食べるけど人は食べないと思う。そういう所のリアリティが欠けてる。

でも宮沢氷魚の演技はとても良かったと思う。冒頭にも述べたように彼以外ほぼ無名。予算も少なかったんだろうなぁとは思うけど、宮沢氷魚1人に背負わせるには荷が重かったかな。悪くないだけにもう1人2人気の利いた人が出演していればとも思う。
柊