【悪い奴ほどよく踊る】
「ボリウッド4」として公開の『闇の帝王DON ベルリン強奪作戦』が本作の続編と事前に知って、こちらを先にDVDでみてみました。
で結果、こちらの方が面白かった(笑)。続編よりヒネリやキレが勝り、物語上のある仕掛けが、ありがちなネタですがけっこう効いていて。
但し、そもそもこちらもリメイクで、オリジナルを知る人の評価は賛否あるようですね。機会あれば、み比べてみたいです。
シャー・ルク・カーンが裏組織の、スーパー文武両道なドン(笑)。ハリウッドのアクションスターなみの大活躍!あちらと違うのは、コメディでもないのにドンが歌って踊るところ。他の親分らが集まる前でそれしちゃうってのが、オモロイいうか呆れるいうか。
上記した物語上の仕掛けは、ドンというキャラクターにある事情から、善人と悪人が共存することになるのですが、そこがお話の肝ですね。善人キャラに共感させながら、他方で悪逆つくし暴れる、危ういバランス。
でもシャー・ルクは、気のいいお兄ちゃんの方が断然、似合いますね。愛情の歪みからストーカーに走ったりするキャラはわかりやすいんですが、こうした確信犯だと冷徹な凄みが薄い。余技で悪役するような感覚が表に出てきますね。
だからダンスも、ガネーシャ祭や、在外インド人集団に紛れ込んでの、善人として歌うバージョンの方が楽しい仕上がり。特に後者での、酔拳ならぬ酔舞はヒロイン、クールビューティな役どころだった、プリヤンカーさんから可愛らしさも引き出して、本作一の名舞でした。
ところで、インド娯楽映画は一人二役的な話づくり、多いようですね。アバターの語源となったアヴァターラを生んだお国柄でしょうか?
プリヤンカー・チョープラーさん、大粒パーツのプリプリ顔に見惚れます。最近日本で見かけぬこのタイプ。昔の由美かおるさん思い出しちゃいますが(笑)。
復讐に燃える正義の女だけど、職業不明で実は怪しいのが可笑しい。いきなりマーシャル・アーツの達人で登場するので仰け反りました。
でも、インドの婦女子は、戦車道のように舞踏を嗜むようですが(嘘)、舞踏と武道は起源が同じらしく、マーシャル・アーツをやらないと習えぬ舞踊も実際あるそうで、達人も有り得ぬ話ではなさそうだ。
んが射撃はどこで習ったん!? しかも実弾使ったトリックなんて!プリちゃん、裏組織で働いてたんかい!(笑)
ゲスト風登場のカリーナー・カプールさんは、肉付きがヤバイ!踊るとそのぶるぶるが、セクシー通り越して精肉店だぜ!(←イミフ) 濃い彼女は、『きっと、うまくいく』位のトーンが丁度いい気がする。
イーシャー・コーピカルさんは美女でもあまり印象に残りませんが、プリヤンカー×イーシャーのダンスシーンは、さすがに眼福でした。
ドンを追う警察、インターポール、巻き込まれる一般人の復讐劇、それらが加わり渾然一体となって、妙に複雑な展開にもなりますが、何となく力技でスッキリ収めちゃう辺りはやはり、ボリウッドかと。
でも面白いんですが、要するに何の映画だったのか、終わってみると像が結ばない…(笑)。もちろん、枠としてはピカレスクムービーなのですが、う~ん、実際なんだったんだ?と一瞬、首傾げる作品ではありました。
ところで、プリヤンカーさんはフィギュアになってるんですね…。どっちか言うとドールって感じですが…コレって似てるの???(笑)
http://www.namast-e-bollywood.com/info/13638.html
<2013.7.8記>