金春ハリネズミ

ミンナのウタの金春ハリネズミのネタバレレビュー・内容・結末

ミンナのウタ(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

夏だし日本のホラーでも見たい気分でした。
本作は下馬評が概ね好評なので期待できました。

期待し過ぎたのかもしれません。
怖い云々というよりも、面白くなかった。

こっから生意気になるので閲覧注意です。

特にスクリプトとそれをなぞる演出には度々首を傾げてしまいました。
単純に上手くないと思います。
怖いを引き出すバイアスも、話の筋自体も、風呂敷の畳みかたも、痒いところに手が届かないテンション(緊張感)で全く乗れません。
全てのモチーフが極めて記号的で、それ意外に役割を果たさないから、かえって予定調和感が際立ちます。の割には各人の動機や行動理念もあやふやな印象を持つので、魂を感じれず、全員お化けみたいに一生ふわふわしてるので普通に冷めます。
GENERATIONSはじめ役者の演技は素晴らしかったと思う一方で、変な放し飼いを食らっているような動きや言動の連続が、物語全体の空気感に悪影響を及ぼしています。これは演出の問題でしかない。
シーン全体に本当の怖いが乗ってこないで、いつまで経っても「ひとごと」みたいに見えてしまう。

とはいえめちゃめちゃ怖いシーンもありました。お母さんですね。
あれは最高です。
クライマックスも程々に怖いを感じましたが、結局本作での「怖い」は、音圧の迫力頼みで、シャバいこと言いますが、芸を感じません。。
そら大きいジャキジャキ音出したらみんな驚きますがな。

お母さんをあれだけ光らせる技量があるんだから、惜しみなく全編通してもっとやれることあったでしょう清水監督。
なーんか力をセーブしているのか、どういうつもりなのかわからないけど、もっと本気で怖らせにくるのを勝手に期待してしまったな。

まぁ今回一応アイドル映画やし、ホラー初心者の人でも程よく楽しめるエンタメに仕上げたかったのかな。とか、考えるけど、
それでこれ出されたら単純に観客舐めすぎやろ。と思っちゃうのが正直なところ。

とはいえ平日の昼どきにも関わらず場内は若い方々で賑わっていたので、なんだか嬉しい。
デート映画としては絶妙な一本かも。
清水監督も、狙い通りと言ったところでしょうか。

あと最後ひとこと。
数原龍友さん。
この人の扱いについてはええ加減にしてほしいです。
GENERATIONSには明るくないですけど、劇中の楽曲めちゃくちゃ良かったです。