たか

瞳の奥の秘密のたかのレビュー・感想・評価

瞳の奥の秘密(2009年製作の映画)
4.0
 記憶では初めてのアルゼンチン映画です。前半、文化の違いからか、話に付いていくのが辛くて、(映画選びの)ハズレかな?と思っていました。それが後半に入ると、徐々に引き込まれるようになり、何かありきたりの映画じゃない、不思議な感覚を感じました。
 ベンハミンは、長年抱いていた空虚な気持ち、それが何であるかを薄々気付きながら、慢性的に暮らして来ました。それなのに、妻を殺されたリカルドの『過去は過去』と言う、(一見)前向きな姿を見て、割り切れた理由を知りたくなります。
 その理由を知ったベンハミンは、空虚な気持ちを満たすのは『行動のみ』だと悟りました。そこで社会を敵にまわしてでもイレーネとの人生を歩もうと決心したんですね。幸い相思相愛なので、きっと明るい未来が待っているのかもしれません。
 大まかにそんな風に感じました。
 そして、ベンハミンの悟りが、作品のメインテーマなのかもしれませんが、リカルドの『妻への愛』故の行為、空虚を埋めるための行為、この辺も重要な部分だと思います。その他にも、イレーネの知的尋問?など、目を引くシーンがあります。
たか

たか