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恋人のいる時間のsonozyのレビュー・感想・評価

恋人のいる時間(1964年製作の映画)
4.0
1964年 仏 ジャン=リュック・ゴダール監督/脚本
原題: Une femme mariée: Suite de fragments d'un film tourné en 1964
(≒ある既婚女性: 1964年に撮影された断片)
ヴェネツィア国際映画祭 金獅子賞ノミネート

主人公は主婦シャルロット(マーシャ・メリル)。
パリ郊外のマンション住まいのメイドもいる有閑マダムで、セスナ機のパイロットで不在がちな夫ピエール(フィリップ・ルロワ)と男の子が1人。

シャルロットには、劇団の俳優である恋人ロベール(ベルナール・ノエル)がいて、彼が所有するアパルトマンで情事を重ねる。

シャルロットに離婚させ、子供が欲しいと思っているロベール。
妻の浮気を疑い、定期的に私立探偵を雇っているらしい夫ピエール。(それを知るシャルロットは、浮気の帰りはタクシーを乗り継いだり)
夫がセスナに乗せ、ドイツのアウシュビッツの裁判を共に傍聴してきたロジェ・レーナルト(映画作家が本人として登場)。

「自分では制御できない"現在"に起きる事柄が好き」と語るシャルロットが、この後どうするのかな?というあたりで映画はおしまい。

シャルロットの男性関係のお話ですが、そのストーリーを楽しむというよりは、
シャルロットと男(彼氏or夫)の手、脚などが静かに絡む断片を切り取ったアート感覚&ほのかなエロスが素敵なモノクロ映像。
たまに挿入されるシャルロットの囁き声。(様々な単語を発している)
登場人物それぞれが「記憶」「現在」「知性」..といったテーマで語るインタビュー風の映像。
といったゴダール流の映像遊戯を楽しめました。

「右折するワーゲン」をウィンクと指で表現して「これ何だか分かる?」と夫に聞くシャルロットのシーンがツボ。^^
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