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ジョニーのmocoのレビュー・感想・評価

ジョニー(2022年製作の映画)
4.3
心洗われる、とっても良いお話。
型にハマらないユニークでユーモア溢れ少し毒っ気もあるヤン神父と、軽犯罪を繰り返すのが人生だと思い込んだ尖ったパトリク。実話ベースのパトリクの更生を含めた二人の数年を追う物語。

ありがちなお話なのは否めないけど、作品の構成、脚本、俳優、どれも良かったし、インテリア好きならポーランドの色使いはうなる程素敵で眼福。何より、太陽の光が柔らかくて、物語全体が心地良かった。

ジョニーなヤンの人間性がすごく魅力的だった。
神父と聞くと、ごめんなさいね、少し胡散臭く感じるのだけど、まったく気にならなかった。
「何に神を感じるか」
軽い会話に出てくるその感じがライト、でもミョーに説得力があるというか、気持ちの良い説明だった。
「"おいしいお肉に、このワインが合う!"
この組み合わせの出会いに神を感じればいいんだよ。」
うん、確かにこの瞬間は身近でいてなかなか出会えない。何か運命的なものに出合った瞬間、そこが熱いポイント。この考え方はとても好きだった。

職場のホスピスで、逝く人に何もできないことを苦悩するパトリクに伝えた話も好きだった。逝かないで、頑張れじゃ無い言葉。
「安心して、最後までそばにいるよ」
これが逝く側が逝く事を許されたと思える言葉というのが心に残った。

ジョニーのような方が早く逝くのは本当に残念で、こういう方は人類の宝だと思う。人のために動ける人。

クスっと笑いながら涙がこぼれる、バランスの取れた素晴らしい作品だった。ラストのご本人登場が似すぎてて更に胸を熱くしてくれたのもブラボーだったな。


仲本工事+瓶底眼鏡=ジョニー



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