BK477

カンダハル 突破せよのBK477のレビュー・感想・評価

カンダハル 突破せよ(2023年製作の映画)
3.9
いつもの脳筋系ではなく、ガッツリ本格ポリティカル・アクション。
中東の情勢に疎いと、かなり難解な作品であるが、
調べながら見れば楽しめる。

「エネミー・ライン」ぐらいだろうか、戦争・紛争の地における”脱出劇”はもはや定番となっているが、本作はしっかり逃避行を描きつつも、おそらく最新に近い中東の情勢を垣間見れる稀有な作品と見た。

物語は要約すると、重要な機密情報を握る主人公を各軍閥が追う、というもので、主人公を追うのは
・イラン軍(イスラム革命防衛隊)の特殊部隊(コッズ部隊)
・パキスタンのCIAと言われる、ISIのエージェント
 このISIという組織は、タリバンと協力している。
更にはISIS、IS-K、など知らない人にはちんぶんかんぷんな単語のオンパレードでクラクラする。

が、それらの軍閥・組織の関係性はあまり知らなくてもストーリーはじゅうぶんに追える。 群像劇の側面もあって、主人公を追う二人と、逃げる二人の4者の視点で進む。この4人がどのような結末になるのかを見届けよう。

敵も味方も実はみんなイデオロギー(大義)の為ではなく、自分や家族の為に動いているという描写が非常におもしろい。

余談
興味深いのはISIのエージェントがおもいっきりリベラルで、
この手の作品では非常に珍しいキャラクターに驚いた。
(服装、祈りを捧げない、マッチングアプリ、ヒップホップ…)
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